(20101203)今週の「華と修羅」 第二十四話 「百合子の危機」

扉絵キャッチコピー
「悪事は行われている。人知れず、今もどこかで。」

柱文
「百合子が暴漢に攫われる…!」
「新は美彦の暴走をも利用する…!!」

慎太郎の目の前で、美彦(ほっこり兄さん)の友人、オードリーの春日と世界のナベアツの手によって、百合子がさらわれてしまいました。慎太郎は必死の形相で百合子を乗せた車を追いかけるのですが…結局追いつけず、最後はスッ転んで車を見失ってしまいました。


この「車を追いかけるところから、転倒するまで」の一連の描写が最初の1ページで描かれているのですが、ここで井上先生の比類なきコピーテクニックが炸裂!
車から遠ざかって行く慎太郎が3コマ連続で縮小コピーで表現されている場面は、思わず笑みがこぼれてしまうと同時に、匠の業が光ります。


凄いぞ、コピー機。



さて、人気の無い建物に連れ込まれた百合子は、今まさに春日とナベアツの手により、レイープされようとしていました。勿論これは打ち合わせ通り、ほっこり兄さんが現れるまでの演技のつもりだったんですが、百合子の乳を揉んだり、袴をめくっているうちに、だんだんその気になって来たのか…。

春日「止めらんねえ!
美彦さん、ここまで来たら、もう俺、止めらんねえっす!」


演技のつもりが、いつしかガチに…!!
この時の春日の顔から、汗やらヨダレやら、あらゆる液体が異常に噴出してて吹いた。気持ちはわかるが、春日落ち着けwwww


百合子は百合子で、こんなヤツ等にレイープされるぐらいなら、舌噛んで死んでやらぁ!と、自害を試みようとしますが、舌をベーッと出しているため、傍目からは舌を出してキスをせがんでいるようにしか見えません。
まったく、犯すほうも犯されるほうも、どうしてムダに笑いを取ろうとするんだwww



今まさに百合子貞操の危機!しかしこの瞬間を待ち望んでいた男が一人いました。そう、我等がほっこり兄さんです!!

美彦「ふ、百合子の恐怖は今や最高潮…さあさあ私の出番だ!!」


そう、この大ピンチの現場に颯爽と駆けつけ、(打ち合わせどおり)春日とナベアツをぶちのめし、百合子を救出!!救世主の出現に、百合子は思わず心奪われる…!これがほっこり兄さんが一晩考えて計画した、唐房美彦・カイザーロード!!
それが今まさに完成を迎える…!!ほっこり兄さんも気合いが入っているのか、タキシード姿でやる気満々です…って、タキシード?


カッコ良いところを見せ付けたいのは分かるけど、ピンチに駆けつけるのに、なんでわざわざタキシード着ちゃうんだよ!!逆に不自然過ぎるだろwwwww

しかしこのバカ丸出しなところが、ほっこり兄さんらしくて、たまんねんなあ(;´Д`)ハァハァ。



そして、ついに扉がバァーンと開きました!ついにほっこり兄さん登場か!?
しかし現れたのは…ゲゲェーッ、新(新便器)!!

新「私が現れたからには、もう指一本触れさせません!
こい!貴様たちが犯した罪の重さ、私の拳が教えてやろう!」


しかし春日とナベアツじは「ちょwwwなんで便器来ちゃうんだよ!打ち合わせと違うじゃなイカ!」と明らかに困惑。そんなバカな、ほっこり兄さんは何処へ…!?


新便器はそんな二人を前にしても容赦ありません。春日には必殺の新便器パンチを顔面にクリーンヒットさせ、ナベアツにはのど輪からの地面叩きつけ攻撃であっさり瞬殺。自らの戦闘能力の高さをまざまざと読者に見せ付けます。
つーか、のど輪で勢い良く地面にたたきつけたら、ナベアツが死んじまうwwww

新「雑魚が!百合子お嬢様を襲うなら、鬼の新に会うと知れ!!」


新便器、超かっけええええ!!


だんだん行動が聖也さん並みのカリスマを帯びてきたといいますか。
「夜王」の聖也さんと霧崎京一郎(肉便器)の長所を兼ね備えた、まさに完璧超人のように思えてきます。



あとはもう、百合子を解放する時にうっすら涙の一つでも見せ、ギュっと抱きしめれば一丁上がり。百合子はレイープされそうになった事の恐怖から救われた安堵感のおかげか、すっかり新便器に身を寄せてしまうのでした。

モチロン新便器が、百合子を抱きしめながら、見えない所で「ニヤ〜〜ッ!」と邪悪な笑みを浮かべているのは言うまでもありません。「この女…陥落(おち)たっ!!」



一方、美味しい所を兄貴に持っていかれ、建物の外でしょぼくれているほっこり兄さん。どうやら先週出てきた裸エプロンの女中が、新便器にほっこり兄さん達の計画を全部チクってた模様です。「まさか、私を裏切る女中がおるとはな…」としょんぼりしているその頬には、新便器にブン殴られたアザの跡が。


しかしまあ、典型的な小悪党なのに、どこか憎めないなあコイツは。
356ページ2コマ目の、しょんぼりしているほっこり兄さんが、不覚にもちょっと可愛いとすら思えてきちゃいました。何という癒し系ピザキャラ。



こうして意気揚揚と百合子を自宅に送り届ける新便器。百合子の家の前にいた慎太郎を、痛烈に皮肉ります。


「秋の気配漂うこの時分に、いまだ蚊が現れるか
叩(はた)かれる前に去るがよい」


圧倒的だ…圧倒的過ぎる…。もはや新便器に、次代当主の風格すら感じるほどです。
新便器の通った後には、ペンペン草一本すら生えていないのか。まったくもって、恐ろしいお方やで…。



しっかし、今週はてっきり「慎太郎が百合子を救出して、ほっこり兄さんガッカリ」という展開だろうと思ってたのに、まさかここで新便器が美味しい所を全部持っていくとは!これは正直、完全に予想外でした。


逆に慎太郎は追跡に失敗し、今週は全くいい所無し。結局ほっこり兄さんにすら負けちゃったワケで、また以前のような残念キャラに戻っちまったかのようです。


ほっこり兄さんも慎太郎よりは頑張ったんですが、今回はいかんせん詰めが甘過ぎました。残念過ぎる。
まあ、谷本先生のちょっとしたネタバレによると、ほっこり兄さんの本格的な覚醒は来年以降らしいから、その時まで気長に待ちますか。



さあこのまま新便器の圧勝劇でこの漫画も終わるのか…と言う雰囲気ですが、百合子を自宅に送り届ける際、新便器が妙なことを言ってるのが気になります。


新「ところで百合子お嬢様
明日知人の家で若い者達だけで夜会を行います
お嬢様もいかがでしょう?」


百合子は即答を避けてましたが、うーん。これはとっても気になるぞ!
特に「若い者達だけ」って部分がどうにも引っかかります。
実はこの夜会ってのが、とんでもない乱交パーティーで、ホイホイ誘いに乗っちゃった百合子が、またしても貞操の危機に…!!というフラグなんじゃね?


まったく、百合子ってつくづく男運が無いなあ。(´・ω・) カワイソス。