デトロイト・メタル・シティ TRACK44「BALD」

 昼下がりにJ−WAVEを聞きながら、オムレツを作っている根岸。サタニック・エンペラーも終了し、こんなささやかな日常に幸せを感じています。

 ところが、オムレツがフライパンの上で上手くひっくり返りません。こんな些細なことにイラつきが募りだして、ついには…。







こえええ(((( ;゜Д゜)))


 根岸は気分転換に外に出ることに。しかし、駅で切符を買う時、前のオッサンが上手く切符を買えずにもたもたしてるのを見て…。


(もたもたしてんじゃねえぞ、ジジイ!!
あと2秒で買わねえと地獄行きだ!)


 また、洋服屋に入っても…。


(俺の見てえ服の前にいつまでも居ついてんじゃねえよ
テメェみたいなゴボウは土色のセーターでも着てろ!!)


 というように、些細なことにイライラしてしまうのです!!


 うーん。なんというか、明らかに日常生活にもクラウザーさんの影響が出始めてます。
 自分にそっくりなシャーセの影響か、それともフェスを経験して、クラウザーさんの暗黒面に精神が侵食されているのか…。



 デスメタルをやる上では、むしろ好都合なのですが、あくまでもオシャレポップで生きたいと願う根岸にとっては、迷惑以外の何者でもありません。
 これではイカン!と思ってた所で、本屋さんで立ち読みをしていたら…目に飛び込んできたのは「プチ出家」の広告。


 まあようするに「精神をリフレッシュさせてみませんか!?」ってヤツです。この広告を読んで「少し自分を見つめ直してみようかな…」と思った根岸は、一大決心。お寺で修行することにしました。



「よう来なすった、短い間だが、よろしく!!」


 やたらと眉毛のぶっとい和尚さんが根岸を出迎えます。一緒に修行に参加する、中学生の「達秀くん」は、そんな和尚さんを「ハゲ」呼ばわりして、同行したお母さんをハラハラさせています。

 ああ、これが世にいうツンデレってヤツですね(えー)


 なんとも前途多難ですが、修行スタート。まずは本道のお掃除ですが…やる気ナッシングな達秀くんは「あんなハゲの言うこと聞きたくねーよ!!」とまったく掃除をやろうとはしません。
 しょうがないので、根岸が代わりに本堂の掃除をするのですが…うっかり飾ってあった器をパリーン!と割っちまいました!!


「オ、オレ知らねー、オレは何も知らねーよ!」


 もともとは達秀くんが掃除をしっかりやってれば、起こらなかったかもしれないアクシデントだってのに、この態度。すさまじいツンツン振りだ(違)


 とりあえずバレないようにと、分かりにくいところに隠しちゃう根岸ですが、続いての滝の修行中に、和尚さんの全てを見透かしているかのような表情、滝の重さに自分の罪の重さを感じる根岸は…怒られるのを覚悟で、自分の全責任で器を割ってしまった事をカミングアウト!すると…。


「あの器は失ったかもしれぬが
お主の大きな器を見るコトが出来た
ワシの心に飾らせてもらうわい!!」


 一瞬厳しい表情を見せた後、笑い飛ばしてあっさり許してくれた和尚さん。すげー、和尚カッコよすぎだぜ!!



 この瞬間、自分が人間として大きくなれたと感じた根岸。そして達秀くんも自分をかばってくれた根岸に心を開き、打ち解ける事が出来るようになりました…って、うわあ、ええ話やなあ。デレってる(w



 そして翌日。修行の最後は定番中の定番“座禅”。心を無視にして精神を落ち着かせます。精神的に成長した達秀くんは、和尚に肩をバシッと叩かれても、ちょっとイラッっとくるものの、何とか我慢できるようになりました。


(達秀くんその調子♪)


 達秀くんの成長をウインクして親指を立てて、褒めてあげる根岸に「気を散らすでない」と和尚さんの喝が。すると…。












ええーっ!?


条件反射的に和尚さんのハゲ頭をスパンキング!!
いやーそれにしてもいい音だ。すがすがしいなあ(w


(心を落ち着くせるんだ、達秀くんの成長がかかってる…
僕が手本になってあげなきゃ…)


 何とか「ハエが頭に〜」などとごまかして、ふたたび精神集中。しかし、コレを終えたら曲いっぱい作ってライブして、和尚さんや達秀くんを招待して…などと妄想してるうちに、また和尚さんの喝が!!











またいい音キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!


さすがに誤魔化しきれない!!ヤバい!!と悟った根岸は


「このハエも止まらぬハゲ頭め―――
2度と来るか、つるピカハゲ丸が――!!」


と走り去って、自室でますます思い悩んじまうのでしたとさ。


結論:いくら修行しても、クラウザーさんの悪魔的感情は止められない。



若杉公徳先生の巻末コメント
「新しくオープンした妹の店“福岡の志まる”をよろしく。
DMC読んでる”で、特に何もないです。」