(20230214) 彼岸島 48日後… 第353話「当たり」

彼岸島は「週刊ヤングマガジン」で連載されていた、吸血鬼が住む島彼岸島を訪れた主人公宮本明たちの戦いを描いた、スタイリッシュ丸太アクションホラーギャグ漫画です。


現在は、第3部?に当たる「48日後…」シリーズがはじまりました。
雅(マサ)率いる彼岸島の吸血鬼達が持ち込んだ、吸血鬼ウイルスを媒介した蚊の猛威によって、崩壊した日本。
法も秩序も無い、吸血鬼達が跋扈する荒れ果てたこの地に現れた、片足を引きずり、顔に傷を持つ、左手1本で丸太をぐわしと掴む救世主…。
その名を、宮本明!!



残り2人となった雅の息子を探すため、再び旅に出た明さん一行。新宿歌舞伎町に吸血鬼最大の娯楽場があるとの情報を得ましたが、ちょっと目を離したすきに、その歌舞伎町にユカポンが遊女として売られちまった!!
それでも親切にしてくれる小春たち遊女仲間のおかげでどうにかやっていけそうだと思ったら…ユカポンは歌舞伎町のボス「舌喰い様」に、人間のスパイと疑われてしまい大ピンチ。しかしすんでのところで勝っちゃんが救出!橋を下ろして明さん達を中に入れますが、事情を知らない明さんは不用意に襲い掛かった遊女仲間の真夏と冬美を容赦なく「ザンッ」と斬っちまった…!そして明さんと舌喰い様との戦いが始まった…!



いやあ、今週の彼岸島は大きく話が動きましたねえ…。

(1)歌舞伎町は「鎮魂の街」というのはウソっぱちで、本当は「復讐の街」だった!!


まあ正直、それまではただの歓楽街だったのに、吸血鬼達が「ここ歌舞伎町は鎮魂の街だ―」などと、急に不自然に言い出したから、なーんか妙だなあ思ってたんですよ。
なるほど、実は雅様に復讐するための研究施設を作ってたとはねえ。

舌喰い様が急に長い間地下に籠って、その間地上で吸血鬼男女の内ゲバ騒動が有ったにもかかわらず、しばらく出てこなかったのも、これで合点がいきました。
表向きは雅様に従ってるフリをするために、わざわざ「クソみてェな貨幣」まで作ってたんだから、これはかなりの念の入れようですな。
逆に言えば、地下でクソ真面目な研究が行われてる上で、地上では吸血鬼どもが天狗突きなんてアホなことをやってたのかと思うと、実に彼岸島らしいといえますが。

(2)舌喰い様は「抗吸血鬼ウイルス薬」を作り出していた!


こんな寄り道ポイントみてェな場所に、こんな重要アイテムを配置するとは!感じ入ったよ。
そして明さんサイドからしてみても、五〇一ワクチン無しでどうやってマサの野郎をぶっ殺すつもりなんだろうと思っていたら、ここでこう来ますか!
以前舌喰い様が、池袋で倒した眠り女の死体をわざわざ歌舞伎町まで持ち帰ってたのも、部下へのアピールタイムだけではなく、死体を研究材料として活用するためだったのか…!
凄ェ!トランキーノ先生ェちゃんと考えて描いてやがった!震えが止まらねェ…。


それにしても、明さんから次々と真実をバラされて、部下からの信頼もガタ落ちになってきてるのに


「だとしたら小僧…どうするつもりだ…」
「知ったことか貴様らなど知らん、私は私のために生きる」
「貴様になど渡さん、欲しければ殺して奪うがいい」


明さんに指摘されても、全く否定も弁解もせず、全部あっさり認めちゃう舌喰い様、いくらなんでも正直者過ぎませんかね…?
なんでコイツ歌舞伎町のボスなんかやれてるんだろう…?

(3)明さんが歌舞伎町に来た目的は、「抗吸血鬼ウイルス薬」を手に入れるためだった!


明さん、せっかくユカポンを見つけたのに、なーんかリアクションが薄いなあとは思ってたんですが…なるほどこれで納得しました。
明さんは「ちくしょう雅の野郎絶対ェ許さねェ」精神で本土まで来てますからね。
レアアイテムゲットのチャンスに、武者震いが止まらねェとか言ってますし、「ありがたいよ舌喰い、お前には感謝する」とまで口にしてますからね!
いままで明さんがこれほど吸血鬼に感謝の意を示してるのって…師匠以外だと、義手作ってくれた隊長ぐらいじゃないですかね?つまりそれほどのレアなシーンなわけですよ。


とはいえ、舌喰い様にも意地があるのか、すんなりと渡す…というわけもなく「欲しけりゃ殺してでも奪い取れ」というバトル展開に…。


そもそも舌喰い様が雅様に復讐するきっかけになったのは、大切な奥さんが邪鬼化して、舌喰い様自ら殺さざるを得なかったから…なのですが
よくよく思い返してみれば、明さんも、好きだった女の子(ユキ)が邪鬼化して、明さん自らユキ(と西山)を介錯してるから
明さんと舌喰い様は、同じ悲しみを背負った者同士なんだよなぁ…。
共に雅を憎む者同士…共闘ルートとかはないんですか!?

もっとも明さんは、治療や義手作ってる間に、西山にユキをBSSされちまったけどな!ガハハハハ!