女ナシ、車ナシ、ショボい給料の会社さえ辞めることもできない空山舜34歳(晴矢顔)。浦島龍童じいさんからカウンタックLP400を250万円で譲り受け、「カウンタックLP400を手に入れる」という25年前の夢を叶えることができました。
かつての愛車「MR2(AW11)」を買ったりしてお世話になった、中古車販売店「フューチャー・モータース」の未来(ミキ)社長に、カウンタックの勇姿を見せようと久々に店を訪れた舜。しかしその社長は既に他界、跡を継いだ娘の真弓たんからも、今月じゅうに店をたたむと言われてしまいます。ところが店をたたむ直前になって、15年前に盗まれたはずの「デロリアンDMC−12」が見つかったという知らせを受け、警察署に行ってみると、そこには確かにデロリアンが!!
まるで15年前からタイムスリップして来たかのように、見つかった亡き父親のデロリアン。娘の真弓たんが車内を懐かしげに探索していると、あるモノを見つけます。それは…真弓たんが子供の頃、マジックで助手席に落書きした「まゆみ」の文字!!
余談ですが、301ページのラストのコマ、真弓たんの横顔と集中線、そして「まゆみ」の落書き文字が描かれているシーンだけ、すごい違和感があります。
なんというか、グリード様がグルトニー様に「ピピッ」と波動を送ってるシーンを連想しちゃって、ちょっと吹いた。
あと、この「まゆみ」の文字が全部コピーに見えてしまうのは、多分「夜王」の読み過ぎなんだろうなあと、我ながら思った(w
そしてこの直後、ようじょ時代の真弓たんが助手席に落書きをしてる回想シーンに入ります。
しかし、回想シーンに出てくる、若い頃の未来社長はオールバックでカッコいいなあ。でも真弓たんがマジック持ち出した時点で気づけよ!とも思った。なんというオチャメさんなんだ!
さて、このデロリアンはエンジンもかかるみたいなので、真弓たんはデロリアンに乗車し、エンジンをかける事にします。せっかくだから舜も助手席に同乗…しかし今回の舜って、今のところ完全に脇役だ(w
エンジンは一発始動。懐かしいこのエンジン音を聞いて、真弓たんの脳裏に思い出されるのは、乗車するたびに聞かされていた、未来社長のデロリアンのうんちく話。
ちなみに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、当初冷蔵庫をタイムマシンにする設定だったらしいけど、子供がマネしたら危険だから、デロリアンに変更した…んだそうです。
そうなのかー。それは知らなかった。まあその後、洗濯機をタイムマシンにする映画が出てきたんだけどな(w
そんな話をしながら、若き日の未来社長は、真弓たんを産んですぐに死んでしまったお母さんに会いたいんだ…と漏らしています。
「……お父さんは、お母さんに会いに行きたいんだ
結婚してから死ぬまで――お母さんには苦労ばっかりかけちゃったんだ…
だから、お母さんが元気だった過去(ころ)に戻れたら…
いっしょに映画を観に行ったり…いっしょにお酒を飲みに行ったり…
いっしょに旅行に行ったり…してあげたいんだ…」
なんとも無念さいっぱいなセリフです。そしてその事を思い出した時、娘の真弓たんもデロリアンのハンドルをギュッと握りしめたまま、大粒の涙をこぼしてしまいました。
(デロリアンが――本当にタイムマシンだったら…いいのにな…)
う−ん、なんだかこの流れだと、そのうちホントにデロリアンでタイムスリップしてしまいそうで怖いなあ。まあ、そうなってくれた方がロックなんですけど、一応これまではそれなりにリアル路線を通してきたのに、それをやっちゃうと、それまで築き上げてきたモノが、一瞬で崩れちゃうというか…ねえ。
果たして梅さんはどんなオチをつけるつもりなのか?とっても気になりますが、つづく。
巻末コメント
Q: 「「あ、春になったな」と思う瞬間は?」
A: 春と言えば“桜”ですかね…。