「彼岸島」は「週刊ヤングマガジン」で連載されていた、吸血鬼が住む島「彼岸島」を訪れた主人公宮本明たちの戦いを描いた、スタイリッシュ丸太アクションホラーギャグ漫画です。
現在は、第3部?に当たる「48日後…」シリーズがはじまりました。
雅(マサ)率いる彼岸島の吸血鬼達が持ち込んだ、吸血鬼ウイルスを媒介した蚊の猛威によって、崩壊した日本。
法も秩序も無い、吸血鬼達が跋扈する荒れ果てたこの地に現れた、片足を引きずり、顔に傷を持つ、左手1本で丸太をぐわしと掴む救世主…。
その名を、宮本明!!
ついにマサの野郎が潜んでいるかも知れねェ、通天閣の展望台に潜入する事に成功した明さん。
ところが最上階にふんぞり返っていたのは、雅ではなく、吸血鬼になったかつての親友。文具屋の息子にして、様々な丸太兵器を開発してきた、人間軍の司令塔にして、豚汁を仲間に振舞い士気を向上させることも忘れない、豚汁アルケミストの…西山…!西山じゃねェか…!!
おまけに西山が従えてる邪鬼の正体が、まさかのユキと知って、慟哭する明さん。その後壮絶な戦いを経て、明さんは何とか邪鬼と化したユキを撃破!そしていつの間にか通天閣の串刺しに巻き込まれていた西山の口から、悲しい過去(猿先生の漫画的な意味で)が語られる…!
…なお、明さんが孤独な戦いを続けている間、加藤や西山達はリア充になってやがったから、ちくしょう!!
先週の時点で、西山の口から、西山とユキが本土で吸血鬼ウイルスに感染したとか、ユキがザコ吸血鬼にレイプされまくってたとか、西山はそんなユキを守ることも出来ずに苦悩してたとか、次々と凄惨な過去が語られていくんですが…。
今週は彼らにとってターニングポイントとなる出来事が起こった事が明らかになります。
具体的にいうと…。
(1)ずっと人間の血を飲まなかったユキは、ついに邪鬼になった
(2)ユキ「僕と契約して、邪鬼使いになってよ!」
(3)大阪に渡った西山、焚き火にダイブしてマサの名を騙る
…なんですが、うーん。
ユキも西山も、言動・行動がムチャクチャ過ぎて、ちーっとも共感できねェんですよね…。
まあ、順番に考察していきましょう。
まずは(1)から。
西山の回想によると、ユキはある日を境に(吸血鬼にレイプされた直後から?)人間の血をまったく飲まなくなった…とあります。
レイプされた事による精神的苦痛が原因なのか、身体は汚れても心だけは汚れたくねェ!という意思表示なのか、それとも吸血鬼になってしまった事を認めたくなかったのか…。
ただ、吸血鬼がいつまでも人間の血を飲まないと変態化する事はユキも知ってるはずなので、本当に自らが吸血鬼になった事を認めたくなかったのなら、変態化する前に自殺とかも出来たはず。
したがって、ユキは、何らかの考えがあって、敢えて自殺もせず血を飲むのを拒み続けてたって考えた方が自然でしょうかね。
それにしても、西山が吸血鬼達にボコられてまでして、必死の思いでゲットした人間の血を、容赦なく壁にブン投げて「飲みたくねェ!」と拒否ってるユキを見ると「てめぇなに悲劇のヒロインぶってんだよ(゚Д゚)ゴルァ!」と思ってしまうのは、心が狭いんですかねえ。
というか西山をボコってるくせに、最後にはちゃんと血を分けてくれるんだから、吸血鬼ってのも、案外優しいな。案外ツンデレなのかな(′・ω・`)
そして(2)。ある日の夜、ユキはついに邪鬼化します。
頑なに血を飲まず、心まで吸血鬼になる事を拒んでるのかと思いきや、邪鬼になったら「僕と契約して邪鬼使いになってよ!」と西山に言い出すユキ。どんな手を使ってでものし上がって、いちばん偉い吸血鬼になって、皆を見返してくれ…と託すわけです。
正直、この辺りのユキの心理描写がブレまくってるように思えてなりません。
無理やり解釈するとするならば、自らが邪鬼になってでも西山の力になりたいが故の行動だった!とも取れるのですが…。
これ、たまたまユキが邪鬼になれたから良かったようなものの、もしもユキが亡者*1になってたらどうするつもりだったんだェ…。
亡者じゃ西山の役に立てるどころか、足を引っ張るだけで、かえって西山が悲しむだけなんだよなぁ…。
亡者になっちゃう可能性を考えると、ユキの決断はあまりにもリスクが高すぎると言わざるを得ないんですよねえ…。
まあ、マツモティーヌ先生が亡者の存在を完全に忘れてる可能性も(ry
まあ、そんな悲しい出来事があった末、西山はユキの邪鬼使いとして生きてゆく決心をするわけです。
そして(3)に入ってゆくわけなのですが…。
大阪へやって来た西山とユキ邪鬼(ずいぶん遠くから来たらしい)
↓
西山(この街なら誰もあの男(雅)を見た事はないはずだ)
↓
西山、吸血鬼達の目の前で、唐突に焚き火に頭を突っ込んで火傷
↓
ユキ邪鬼も大暴れして、慌てふためく吸血鬼達の前で「私の名は雅」とマサの名を騙って街を支配宣言
どうして大阪なら誰もマサの事を知らないと思ったのかが、いまいち理解できないんですが、まあ単に自分のことを知らない街の方が支配するにはやりやすいって思っただけかもしれません。
まあ、それはともかく…焚き火に頭を突っ込む必然性が全くねェ!
そうなんだよなあ。西山が顔に火傷跡を作る為、自ら焚き火にダイブするシーンに至っては、奇行過ぎて本当にわけがわからねェ!
あまりにも不自然すぎるので、マツモティーヌ先生ェ、これまで西山の顔が火傷してる理由を描く事をすっかり忘れてたから「しょうがねえなあ、じゃあここでおもむろに西山を焚き火に頭を突っ込ませよう」と思いつきでやらせたんじゃねえのかって疑惑すら沸いて来るぜ!
これなら吸血鬼から血を貰いに行きボコられた過程で火傷したとかのほうが、よっぽど理由が自然なんだよなぁ…。
動機がとってつけたみてェだから、ちくしょう!
で、西山の奇行を目撃した吸血鬼達は「ひいいいい、わけがわからねェ」と驚いているわけなんですが
本当にわけがわからねェのは、この漫画そのものなんだよなぁ…。
というか、いっくらバックに邪鬼がいるからとはいえ、いきなり焚き火に頭を突っ込むキチガイが現れて「オッス、オラ雅!今日からこの街はオラが支配すっぞ!」って言われて、素直に従っちゃう方がどうかしてるwwww
…さて、これで西山の悲しい過去話は終わりを迎えたっぽいんですが、これを一通り聞いた明さんは、次回どうするつもりなんでしょうかねえ?
まあ明さんが直接手を下す下さないに関わらず、どっちにしろ西山もユキも死ぬとは思いますけど。