8年間にわたる連載が終了した「カウンタック」。当サイト(blog)でももっとも長い期間取り上げることとなった作品となってしまいましたが、いやー我ながらよくここまでやれたなあと思います。
今だから白状しますけど、自動車どころか、自動車免許すら持ってない身でありながら、よくもまあ車漫画の感想を書き続けられたモンです。もう途中からは、完全に作者愛だけで乗り切ってたなあ…。
さて、せっかくですから、数多く行われたスーパーカーバトルの中で、印象に残ったバトルを挙げていきたいと思います。
もっとも、普通に名勝負を列挙していったのではつまんないので、選ぶ基準は「いかにロックであったか」。
「カウンタック」はこれまでの梅さんの作品と比べると、かなりぶっ飛んだ描写を抑えている…という印象を受けますけど、果たして本当にそうなのか?それを検証してみたいと思います。
■第5位 C4コルベット"スレッジハンマー" VS ブガッティ・ヴェイロン
立花樹利(コルベッ子たん)と中学時代やりあってた破鬼京花(元DQNの白バイ警官)が、昔のチキンレース(いかにギリギリでブレーキをかけるかを競うレース)のリベンジとして、工事途中で放棄された全長25kmの高速道路を使ってチキンレースを挑む…というエピソード。
なんといっても「殺しと薬物以外の犯罪は全てやった」という札付きのワルで、なおかつ、親が絶大な権力者で悪い事も揉み消し放題!という、超エリートのDQNといってもいい、京花のDQNっぷりが凄まじかったのも有りますが
(それにしてもいい年こいて特攻服着ちゃうのはどうかと思うんだ)

チキンレースなのに、お互い切れ目を飛び越えて向こう側に大ジャンプ→着地という「ちょwwwお前らそれチキンレースちゃうやんwww」というオチが、強烈なインパクトを残してくれました。
ルールの概念なんか見えやしねー!という精神が、実にロックですね。
もっとも、このバトルに入る直前、全裸で迫るコルベッ子たんをスルーして、早乙女ちゃんの電話に出てしまう舜の軟弱者っぷりには、盛大に萎えましたけど(゚Д゚;)
■第4位 C1コルベット(ドラッグレース仕様) VS フォード・マスタング
会社の接待でぼったくりバーに引っかかり、用心棒のDQNたちにとっ捕まってしまった舜とコルベッ子たん。舜はコルベッ子たんを救出するため、なぜかDQNのリーダー格で、元ドラッグレーサーの亜久目さん(JJ)と、ジョニーが持ってきたC1コルベットでドラッグレースをする羽目になる…というエピソード。
ドラッグレースは一瞬で終わってしまうためなのか、レースに入るまでの展開がちょっと長すぎて、展開がタルいのがたまに傷ですが、それを補うかのように、JJ達DQNが色々とやらかしてくれるのが楽しみでした(;´Д`)
しっかしまあ、せっかく捕まえたんですから、とっとと舜を「引きずりの刑」で処刑したり、コルベッ子たんをレイープすりゃいいものを
●わざわざドラッグレース勝負を提案し、助ける余地を与えてあげたり
●別に聞いてもいないのにドラッグレースのいろはやルールなどを解説してくれたり
●ドラッグレース未経験の舜に、ジョニーによるレクチャーの時間を与えてあげたり
●やるからにはハンパなレースはしたくねえからと、本格的で、不正の一切無い公平なレース環境を作り上げたり…
JJ、メチャクチャ律儀でいいヤツじゃねえかwww
たぶんJJはドラッグレースがやりたくても、日本では条件が厳しすぎて、出来なくって寂しい思いをしてたんでしょう。そして「はわわわわ、久々にガチのドラッグレースが出来るよやったー!」などと内心メチャクチャ嬉しかったに違いありません…って想像したら、なんだかすげー微笑ましく見えてきた(′・ω・`) 良かったなJJ。
神谷聖(暗井くん)の祖母が入院している病院へ向かう途中でのバトル。スピード違反上等でかっ飛ばすウルフカウンタクックを取り締まろうと全力で追いかける高速機動隊員(ポリ)という、これまでとはちょっと毛色の違うバトルですね。
このバトルの最大のポイントは、ズバリ「国家権力への反逆」でしょう。
いくら身内の緊急事態だとはいえ、警察という「無敵の国家権力」様に堂々と逆らうという姿勢が、実にロックでした。
対戦相手の奔田(ホンダ)さんも、ムキになって、サイレンと赤灯もつけずに、普通にレースをしちゃうという、警察官にあるまじき行為をやっちゃうところも、なんともはや。変なところで張り合うな(′・ω・`)
最後にはフェアレディZを振り切り、奔田さん達の温情により、免停も無かった事に。まさに「国家権力がロックに屈した」瞬間と言えますね。オチも含めて、なんともカタルシス。
コルベッ子たん初登場。今でこそコルベッ子たんは、かなり丸くなって、舜にホの字の、ちょっとエロくて陽気なロック姉ちゃんといった印象ですけど、初期のコルベッ子たんは、バーンナウトをふかして対戦相手を事故らせたりと、本当に狂犬のごとくツンツンしてました。

「BOY」の伊武麗子もそんな感じでしたけど、たぶん「梅澤ワールド的ツンデレ」なんでしょう。
このエピソードでコルベッ子たんは色々とロックな一面を見せてくれるのですが、特に
「ガードレールとファックしな…カウンタック!!」
はマジで名言だと思います(′・ω・`)
■第1位 カウンタックLP400 VS フェラーリ360モデナ
舜がLP400を手に入れたあと、最初のバトルですね。シンちゃん(フェラ男)とはこの後何度もバトルをするんですけど、一番最初のこれが一番強烈だった印象があります。
フェラ男も190km/h出しながら、助手席の女を手マンしたりと、かなり器用な芸当を見せてました(′・ω・`)

連載初期のカウンタックは、WJ時代のノリが抜けきって無いのか、やたらとロックな傾向が強かった気がしますね。
名言といえるべき発言も、初期に集中してるような感じがします。「アタシとフェラーリ どっちが好きかだと…?笑わせるな! フェラーリ以上の…女はいねえよ!! 」とか。
また、カウンタックの連載が始まったばかりのころは、読者もこの作品がどういうスタンスの作品なのか判断できなかったので、ついついWJ時代のノリを期待しつつ、wktkしてたのも事実でしょう。
初期のカウンタックスレもWJ時代のロックな梅澤ワールドを期待してる人が多かったため、たとえば「舜はどうやってオービスをかいくぐるんだろう?」という予想に対して「カウンタックが剣に変形する」とか「10円玉を弾き飛ばしてオービスを破壊する」なんてロックな予想が、平然とまかりとっていましたから。
そういったワクワク感も含めて、この順位にさせていただきました。
これは厳密には、スーパーカーのバトルではないのですが、この漫画を語る上で絶対に欠かせない…いやまあ、普通は省いてもいいと思うんですが、梅澤ワールドの“ロック”という一面においては、絶対に外してはいけない、まさに“「カウンタック」史上、最高最大級のロック”なエピソードと言えるでしょう。
女社長小野寺ナオミたんのディアブロで、娘の涼ちゃんとドライブをする舜の元に現れる車上荒らしのDQN2名…!!金属バットでガリガリと削られる借り物のディアブロ…!
スーパーカーを愛する者として、舜はもう黙ってはいられません!


ディアブロのルーフを盾がわりにDQNに特攻!!
いやー最初これを見た時は、あまりの超展開に( ゚д゚)ポカーンとしてしまったものです。なんだよこれ!SWORDBREAKERじゃねえか!!…と。
もうディアブロのルーフが「無敵の楯」(ソードブレイカー)にしか見えない…!!
これまで「カウンタック」誌上では、ロックな表現をかなり抑え目にしていたのに、突然のこの豹変ぶり。「一体梅さんはどうしてしまったんだ…ロックな話が描きたい禁断症状が出ちゃったのか」などと、本気で心配したモンです。
しかもこの後、舜はこのDQNを吹っ飛ばしてKOさせると、持ってた金属バットを奪い、もう一人の鉄パイプを持ったDQNと対峙するわけですが、晴矢顔をした舜が金属バットを手にしているというだけで、梅さんの出世作「BOY」を彷彿とさせてしまいます!そしてもう片方の手には、ディアブロのルーフ(無敵の楯)!!これぞまさに、梅澤ワールドの集大成だー!!と言わんばかりの大サービス!!俺が女なら股を濡らすね!!とはまさにこの事でしょう。
間違いなく、“「カウンタック」史上、最高最大級のロック”なエピソード…だと、個人的には思うのです(′・ω・`)