ある日の楽屋。クラウザーさんの世を忍ぶ仮の姿・根岸は、カミュさんの世を忍ぶ仮の姿・西田に、だいぶ前に貸したプレステのソフト「ぼくのなつやすみ」を返して欲しいとお願いしますが、西田はこの話しになるといっつもシカトを決め込んで、いっこうに返す気配なし。
(うう、貸したものを返さないなんて、よくないよ…
前から何度も何度も返して欲しいって話してるのに、
許せない…許せないよ)
静かな怒りを覚えたクラウザーさんは、ライブ中に突然カミュさんに対して「恨みはらさでおくべきかー」と挑発!!突然の行動に、ジャギ様もDMC信者たちもビックリです。
(この魔王に対して無礼を働くと者は、同じ悪魔だとて許せん
処罰してくれるわぁ)
テンションの上がったクラウザーさんは、突然自らのマントをブン投げ、カミュさんにかぶせてしまいます。マントで前が見えなくなってドラムが叩けなくなったカミュさんに「HENKYAKUせよ」と叫ぶクラウザーさん。「ぼくのなつやすみ」の恨み、恐るべし!!
しかしカミュさんもこのまま黙ってはおりません。
背後からクラウザーさんをグサリ!!
突然の仲間割れにライブハウスは騒然。ここは何とかジャギ様が機転を効かせてふたりをたしなめ、ライブを続行させるのですが、DMC信者たちは「ライブ後、大変なことになるぞー」とあらぬ方向に話は広がって行くのでした。
そしてライブ終了後、DMCメンバーは居酒屋で打ち上げを行います。根岸も西田に申し訳ないと思ったのか、普段は来ない打ち上げに参加して、西田に働いた無礼を謝ります。一方の西田は根岸を怒るわけでもなく、女性店員に「(お前の)アワビ」をしつこく注文してのセクハラ三昧ばっかりしているので、とりあえずもう怒ってはいない模様。コレでめでたく仲直り…。
しかし同じ居酒屋にいたDMCメンバーの間では、ふたりの争い話で大盛り上がり、話がどんどんステキな方向へ流れていっちゃいます。
「オイ、やはり戦争の理由はアレだよな」
「あのクラウザーさんとカミュさんの表情からしてもそうだな」
すごいよクラウザーさん!!冥王星までチョチョイのチョイだ!!
やはり俺たちはクラウザーさんに生かされてるんだー!
大騒ぎのDMC信者たち。 しかしその時突然店内が停電に。ただの停電にもかかわらず「世界の終わりだー」などと騒ぎ出したからさあ大変。
「この状況を止められるのは、あのお方しかいねえー」
「ジャギ様だぁ――
ジャギ様に降臨していただくんだ―――」
「炎をともし、待て―――」
謎の儀式が始まりました。
やっぱり放火魔ジャギ様を呼び寄せるには、炎が必要なようです。
これには、それまでDMC信者の騒ぎにシカトを決め込んでいた、ジャギ様の世を忍ぶ仮の姿・和田も、思わずビールを吹き出してしまいます。根岸から「このままじゃファンによって勝手にDMCを解散させられちゃうよ…」と言われてしまい、もはやジャギ様としてその場に出てこないと、シャレにならない状況下に。
(そ、それは困る、オレはこのバンドでビッグになりてぇんだ!)
根岸と違って、DMCでの上昇志向の強い和田。自分には根岸のような超絶パフォーマンスは出来っこないけど、バンドの未来のために、意を決してジャギ様に変身しに行きます。そして待つこと数分後…!!
「クラウザーとカミュは、オレの力でねじ伏せてやったわ」
ジャギ様光臨!!しかし運悪くその直後に停電が直ったので、誰もジャギ様の光臨に気がついていません!!
なんたる不運!!なんだかバツの悪そうなジャギ様が(´・ω・) カワイソス
しょうがないので根岸が信者のひとりのフリをして、サポートすることにします。
「うわあ、ジャギ様だー、ジャギ様が光臨されてたぞ」
根岸のわざとらしいビックリした演技のおかげで、ようやくジャギ様がその場に現れた事を理解したDMC信者たち。とりあえずみんなジャギ様の出現を喜んでくれました。
とりあえずつかみはオッケー。問題はここから。根岸のようにカッコよくファンを魅了せねばと意気込むジャギ様に、ビクトリーレッドの中の人が、どうやってクラウザーさんとカミュさんを和解させたんですか?と質問してきました。すると。
「ト、トークだ」
普通に答えちゃいました!!コレじゃ駄目だと、根岸が慌てて助け舟。ジャギ様の手のマメを見て「この手でお二人を握り潰したからですか!?」と絶妙なスルーパスを出します。
さあ、後はジャギ様が「そうだ」などと言って華麗にシュートをぶち込めばオッケー!ところが。
「違う、このマメは毎日ベースを練習して出来たのである」
ちょwwwバカ正直すぎだよジャギ様!!
たしかに正論ではあるけれど、せっかくのスルーパスを、あさっての方向に宇宙開発しちまったよorz
その後も、ジャギ様にゲリラ的ベースプレイさせようとベースを持ってきても、ベース弾くのに店長に許可取ろうとしたり(しかも断られてやめちゃう)、根岸が店内に火を放っても「バカ、火事になるぞ」とすぐさま消火活動しちゃったりと、根岸の出したスルーパスを次々とふかしまくるジャギ様。まったく、とんだヘナギっぷりです。
ジャギ様の優しさにみんながどよめき出します。こうなったら最後の手段。根岸は決死の行動をとるのです。マッチに火をつけると…。
「うわー何だ、体が勝手に火を欲してるー
なぜだー、なぜなんだ――
うわっ、熱い!!ジャギ様熱いです!!」
「うわー、焼かれながら犯されちゃうよ――」
なんかジャギ様ごとシュートをして、ゴールに押し込んだ感がありますが、根岸の決死のパフォーマンスで、なんとか冷えた空気を暖めることに成功。ジャギ様は「さすが根岸、メタルモンスターだぜ」と、根岸の才能を改めて認めるのでした。
そして数日後、西田はいつものようにお弁当を食べながら、無言で根岸に、ちゃーんと「ぼくのなつやすみ」を返却し、DMCメンバー大戦争は幕を閉じました。
ちなみに和田はその脇で「俺もパフォーマンス勉強せねばな」と腕組みしながら真剣に悩んでいるのでしたとさ。ちゃんちゃん♪
若杉公徳先生の巻末コメント
「粉状のモノを見るとつい鼻から吸引してしまいます。」