女ナシ、車ナシ、ショボい給料の会社さえ辞めることもできない空山舜34歳(晴矢顔)。浦島龍童じいさんからカウンタックLP400を250万円で譲り受け、「カウンタックLP400を手に入れる」という25年前の夢を叶えることができました。
ある日舜の元に、中古車販売店「フューチャーモーターズ」の女社長・真弓たんから電話がかかって、なんか普通じゃないAW11(舜の昔の愛車)が入荷したから見に来ない?と誘われます。そのAW11は極端にレーシング仕様に改造された、玄人好みの改造マシンだったんですが、お店の物影からそのAW11に怪しい視線を送る金髪グラサン野郎によってまんまと強奪。舜と真弓たんはカウンタックで盗まれたAW11と「赤月峠」(あかつきとうげ)で追いかけっこ。ところがようやく追いついたと思ったら、グラサンは突如ipodを取り出し、音量MAXで曲を聴いたらいきなり覚醒!!「フォ〜〜〜〜〜〜〜!!!」とマイケル・ジャクソンのような雄叫びを上げながら“ムーン・ウォークドリフト”(注:普通のドリフトです)をかましますが…おもいっきり道路のギャップにタイヤを取られ、盛大に宙を舞っちまうのでした。
スピンしてバランスを崩し、操作不能に陥ったたAW11は、そのまま一気に「緊急避難所」へ。舜と真弓たんが慌てて駆け寄ってみると…グラサンは首を強打したものの、とりあえずは無事のようです。
ところがグラサンのツラを見た瞬間、真弓たんの表情は一変。なんとコイツ、真弓たんのよく知ってる人物だったのです。
グラサンの名前は「三矢本 鉄太」(みやもと てつた。真弓たんの「めんどくさいから」という理由で、以下“鉄”と表記します)。高校2年性。もちろん無免のうえ、高一の時から走り屋の先輩の車を借りて峠を攻めて、事故ってクルマをデストローイさせた挙句、警察(ポリ)に補導された前科のある、ある意味ホンマモンのDQNでした。
鉄はAW11が欲しくてたまらなかったんですが、そんなDQNに真弓たんがクルマを売りつけるはずなどありません。しまいにゃ「調子に乗るなー!!」と鉄を一括する始末です。
それにしても真弓たん、鉄が出てきてからというもの、「でもあんたにはぜっっったい売らないからね!」「はあっ!?ふざけるんじゃないわよ〜〜〜!!」などなど、言動はもちろん、性格までもが、やけに攻撃的になってます。
もしかして、そっち方面に放っておけない姉さん属性なのか?どっちにしろキャラが豹変し過ぎ(′・ω・`)
真弓たんに一喝された鉄は、自らが調子に乗っていた事を認めながらも、でもやっぱりAW11が欲しいという気持ちは微塵も揺らぎません。
「でもさ…このAW11を欲しいって気持ちはマジなんだよ!!
ずっとAW11が好きで、免許取ったらぜったいAW11に乗ろうって思っていて…
そしたらこのスペシャルAW11に出会って――
こんなスゲーAW11…今、手に入れなかったら二度と出会えないと思って…」
ド真剣な表情で、改めて真弓たんにAW11を売って貰えるよう懇願する鉄ですけど…「どんなに頼まれても…あんたに売るつもりはないわ!」と、やっぱり真弓たんの結論は変わらず。
ここで舜が何やら言い出しそうな感じですけど、果たして…。というところで、つづく。
巻末コメント
Q: TV番組に出演しなければならないとしたら、どの番組?
A:「開運!なんでも鑑定団」。