女ナシ、車ナシ、ショボい給料の会社さえ辞めることもできない空山舜34歳(晴矢顔)。浦島龍童じいさんからカウンタックLP400を250万円で譲り受け、「カウンタックLP400を手に入れる」という25年前の夢を叶えることができました。
ある日舜の元に、中古車販売店「フューチャーモーターズ」の女社長・真弓たんから電話がかかって、なんか普通じゃないAW11(舜の昔の愛車)が入荷したから見に来ない?と誘われます。そのAW11は極端にレーシング仕様に改造された、玄人好みの改造マシンだったんですが、お店の物影からそのAW11に怪しい視線を送る金髪グラサン野郎によってまんまと強奪。舜と真弓たんはカウンタックで盗まれたAW11と追いかけっこしているうちに「赤月峠」(あかつきとうげ)へ…。しかし改造AW11は足回りがガチガチだったため思うようにコーナーを攻められず、あっという間に追いつかれそうになります。
「このままビビってたら逃げ切れねえ!!
あの事故以来封印していたけど――
恐怖(ビビリ)を消すにはやっぱこれっきゃね―――!!」
追い詰められたグラサンが取り出したものはIPODらしきポータブルプレイヤー。グラサンは耳にイヤホンをはめると、プレイヤーのボリュームを最大限まで引き上げ、収録された曲に耳を傾けます。すると…。
「フォ〜〜〜〜〜〜〜!!!」
いきなりレイザーラモンHGのような雄叫びを上げだしはじめたグラサン。すると急にAW11のコーナリングでのスピードが急上昇するではありませんか。
そう。グラサンはノリの良い音楽を最大音量で聴く事で、コーナーでの恐怖心を取り払い、やけっぱち運転をおっぱじめたのです…!!
コレだけ書くと、普通は「ちょwww今時HGネタとか、それはねーよwwww」とか「今週のハチワンダイバーとネタが被ってるYO!!」などといった安易な感想しか浮かばないものですが、そこは腐ってもあの“梅さん”です。きっと何か裏があるに違いない…。
そう思いながら何気なく梅さんの過去作品を読んでたら…ある事に気付きました。そして確信しました。
このグラサン…“R&Rドラッグ”をキメている…!!
知らない方のために説明しますと、“R&R(ロックンロール)ドラッグ”とは「無頼男」(ブレーメン。梅さんが週刊少年ジャンプで連載してたロックンロール漫画。全9巻)に登場する禁断のドラッグで、特殊な蝶の鱗粉を服用した状態でロックミュージックを聴くと、強烈な幻覚作用を引き起こす…というシロモノ。
まあね。冷静に考えたら、ただ普通に音楽をボリュームMAXに聴いた程度じゃ、恐怖心なんて拭えっこありませんよね!!
きっとドラッグでも一発キメているに決まってます!!実にロックです。
さすが梅さん。まさかこんな局面でオールドファンをニヤリとさせるシーンを演出するとは…まったくもって恐ろしいぜ…。
まあ、単に深読みしてるだけの気もしますが(w
…という訳で、“R&Rドラッグ”をキメた状態(…かどうかは分かりませんが)のグラサンは、やけっぱち走行のくり返し。こんなムチャな走りで万一路面のギャップにつまずいたらクラッシュは確実。下手すりゃAW11ごと崖下へ転落して、破壊―――(デストロ―――イ)!!
そんな事はさせねえぜクソッタレーと、舜のLP400は、コーナーでアウトサイドに並んで、無理やりブロックを試みます。はたしてAW11の運命は…?ってところで、つづく。
ちなみにグラサンが聴いてる音楽が何なのかが、やっぱり気になります。「デストロイのうた」とかだと嬉しいなあ(′・ω・`)
巻末コメント
Q: 携帯電話を替える時に最も重視する点は?
A:ボクは機能よりデザイン重視です。