デトロイト・メタル・シティ TRACK46「FORTUNEーTELLING」

 根岸はある日、相川さんから「アルミニウム・チューンズ」とかいうウォシャレバンドのカップル限定ライブに行かないかと誘われます。


「あ、深い意味はないんだよ〜
根岸くんも興味あるかなーと思って、一緒に行くと楽しそうだし
男女ペアじゃないと入れないんだー
少し前に待ち合わせて、ブラブラしよー」



 というわけで即OKした根岸。二人で町をぶらぶらしているその光景は、まるで恋人同士みたいじゃないかー!と一人でハシャイでいます。おめでてーな。


 途中、ファッション雑誌の人に、写真撮ってもいいですかー?と言われるも、根岸だけ「イヤ、ごめんなさいキミは違うから」とひどい扱いを受けてしまい、なんだかいきなり踏んだり蹴ったり。


 相川さんと会う前にこなしてきた、DMCの撮影回じゃ、 クラウザーさん、こっち下さいー!!」とみんな撮りたがっていたのに…。と、早くも欝な気分になっている根岸ですが…。


「アレ、女の子特集だったみたいだねー
恋人特集だったら、根岸くんと写りたかったかも…」


 おやおや?どうやら相川さんも、根岸とはまんざらでもない…のか?

 ドキッとさせられる事を言われて、とたんに根岸の欝な気分も晴れてしまいます。



 ラーメン屋で昼食を取ったあと、二人は“スイーツ占いのお店”へやってきます。甘味おばさんと呼ばれる占い師(どう見ても細木数子似)が相手をフルーツに例えて行う占いは、すごく当たると評判で、大人気なんだとか。


 さっそく占ってもらう二人。相川さんの結果は「ドゥーブルフロマージュ」。そして根岸は…。



「ギョーザね」



 スイーツ占いだと言うのにに、果物ですらないギョーザ!!根岸はただ驚くしかありません。


「貴方は己の臭い部分を皮で包むという、最低な考えの持ち主…
ラーメンとチャーハンがあればセットメニューになるわ」


 まあ、己の臭い部分=根岸の暗黒面と考えれば、たしかに占いは当たっちゃあいるんですけどね。
  ラーメンとチャーハンってのは、ジャギ様とカミュさんのことを言ってるのか(w



 ギョーザという予想外の占いの結果に、まわりのお客さんから( ´,_ゝ`)プッ と失笑を浴び、根岸の心はもうズタズタです。
 相川さんは「さっきラーメンセットでギョーザ食べてたから、その印象があったんだよー」とフォローしてくれますが、焼け石に水。


(もう気休めはよしてくれよ、フロマージュさんよ
どいつもこいつもスイーツ面して、俺の事を笑ってんじゃねぇか
あのババア許せねえ、何がスイーツ占いだ
何がラーメンとチャーハンでセットメニューだ…
俺と相川じゃ全くつり合ってねえと言いたかったんだろ…)


 ギョーザの皮に包まれた根岸の暗黒面が首をもたげてきますが、ライブ会場を見つけた相川さんに手をギュッと握られて、とたんに元に戻っちまうのでした。


  ああ、男って単純ね(w




 ライブ会場は大勢の人だかり。 (微妙に「キン肉マン」のブロッケンJrに似てる)警備員が誘導をしていますが…実はこの警備員、ガチガチのDMC信者でした。


(チッ、このゴボウ共が
警備員のバイト始めたはいいが
こんなゴボウ共が集うライブに派遣されるとは
このカップル共、クラウザーさんにレイプされて欲しいぜ
ケッ、ああいうクソ浮かれたゴボウをまっ先に殺害して欲しいぜ)


 警備員の目の前を通り過ぎた、その「クソ浮かれたゴボウ」ってのが、皮肉にも根岸っていうか、クラウザーさんのの世を忍ぶ仮の姿なんだから、世の中は皮肉です(w



 そしてライブ。「アルミニウム・チューンズ」のクオリティの高い音楽に感嘆する根岸たち。と、ここで曲の合間のトークコーナーになり、スイーツ占いの話題に。


「アハハ、俺も行ってきて最悪の結果だったよー
オレ抹茶アイスだって、ビミョウでしょー」


 抹茶アイス!!でもギョーザって言われるのに比べたら…と思いきや、ここで空気の読めない客が「オレ、今日ギョーザって言われてる人見ましたー」と、余計な事を!!


「アハハ、俺ソレ言われたら音楽やめるかもー}


 あああ、地雷踏んじゃった!!ドス黒い怒りに火がついた根岸は、一度席を立ち、その間に「クロージングアイズ」という、お客さんたちにキスを促す曲が演奏されます。どうやらみんなキスするまで延々サビが続きそうな流れで、相川さんは…。


(ゴメン根岸くん、私そういうつもりでライブに誘ったんじゃないんだよ…
うう…でも…根岸くん…
根岸クンは私じゃイヤかな)


 おお、思わず相川さんも目をつむり…キスを受ける体制に!!しかし相川さんの目の前に板のは、根岸ではなく…クラウザーさんだー!!
 しかもなんだが喉が「コポッ」っと、不気味な動きを見せているー!!思わず警備員が叫びます。


「あ、あのノドの音、まさかクラウザーさん
臨界点を越えた…来る」


 


「出たー、アレは“ベルリンの金色の風”だぁ!!」


 クラウザーさんの必殺技「ベルリンの金色の風」(ただのゲップ)が、相川さんの顔面に直撃!当たりにギョーザ臭いゲップのにおいを振りまき、ラブラブムードをぶち壊しにして、ライブ会場を走り去ってしまうのでした。


 でもって…。


 


 甘味おばさんにもきっちりリベンジを果たすクラウザーさんでしたとさ。



 うーん。今回のお話を読む限りだと、相川さんも根岸に気があるみたいですな。ってことは、根岸がギョーザ呼ばわりされて笑い者にされた時、ブチ切れていなければ、相川さんとチューが出来たって事じゃないか!!
 うわあ、そう考えると根岸は実にもったいない事をしたなあ、と。


 もっとも、キスしたところでギョーザ臭い匂いは変わんないだろうけど(w



若杉公徳先生の巻末コメント
「安藤さん、ananの件本当にありがとうございました。」