今週の夜王 第144話「誰が為に…」


 巻頭カラー。トビラ絵の遼介…タキシードが似合わないなあ(w
 あと、単行本12巻を今日買ってきたのですが…。

夜王-YAOH 12 (12)
夜王-YAOH 12 (12)
posted with amazlet on 06.01.19
倉科 遼 井上 紀良
集英社 (2006/01/19)

↑ なんか表紙の遼介の首が、異常に長いぞ。首長族ですかー!?



 自分の客にガンガン金を使わせ、その金を消費者金融闇金から調達させ、首が回らなくなったらその女をソープに売り飛ばすという極悪ホスト「女衒のレイ」(アミバ様)は、偶然歩いていた高橋先輩の彼女で、目の見えない浦澤梨佳に目をつけ、酔っ払いサラリーマンにブン殴られたり、杖をブン投げたり、目薬使ってのウソ泣きまでして、梨佳の信用を得ることに成功。アミバ様にすっかり騙されてしまった梨佳は、アミバ様を指名するために、自分の目の治療のためにと、コツコツ貯めてた貯金をちょっとだけ引き下ろしてしまうのでした。


 で、たまたまATMでお金を下ろしているところをちょうど遼介が目撃。声をかけます。もちろん遼介は、梨佳にアミバ様の魔の手が迫っている事など知りません。
 梨佳がまだ高橋先輩から、見えない目が治るかもしれないという話を聞かされていないと知った遼介は、梨佳に「近々先輩からすばらしい話がある」とを言い残して、別れるのでした。こういう話は自分の口から言うより、高橋先輩の口から聞いたほうが梨佳が喜ぶと思ったからです。
 で、梨佳はちょうど遼介と分かれた直後に、タイミングよく高橋先輩から電話がかかって来ました。事務所に来いと言うので、ポイズンの事務所に行ってみると、待っていたのが「目の手術のためにアメリカに旅立つ」という知らせ。 目の一部の提供者と手術が必要な病院施設と医者が見つかり、そのための費用は全部高橋先輩が負担する…。

 すべては梨佳に幸せになって欲しいから。そして梨佳の目が見えるようになることが自分の幸せでもあるから。そして何より、高橋先輩は梨佳の事を愛しているから…。
 少なくともその気持ちはまぎれもない本物。しかし今の梨佳にとっては、そんな思いは重荷にしかなりませんでした。加えて、自分に黙って勝手にそんな話を進めていたこともあって、梨佳はブチ切れてしまいます。


「もういい加減にして!!
そのお節介が私にとっては重たいのよ!!
目の手術費用なら、私、自分でちゃんと貯金してきたわ!!
いい?これは誰の問題?
見えないのはあなたの目じゃない、私の目なの!!」


 そして話の途中で席を立って、帰ろうとする梨佳。高橋先輩は彼女の肩に触れて静止させようとします。しかし梨佳は目が見えるようになるのは嬉しいし、あなたにそこまで心配してもらったことには感謝するとは言うものの「そこまでは甘えられない、一人にしてくれ」と、先輩の肩を振り払って、出て行ってしまいました。 


「私は人形じゃないわ…
零さんは私をそんなふうには扱わない…
自分が生きるために私という存在が必要だと言っている…
行こう零さんのお店に…行って零さんを指名するんだ…
私があの人を助けるのよ!!」


 そして梨佳はその足で、アミバ様のいるホストクラブ「スナイパー」へと向かいます。
 梨佳のイメージの中のアミバ様は、指名が一人も取れずにクビ寸前の可哀相な男。しかし現実のアミバ様は、梨佳が入店した時に、店の奥で思いっきりふんぞり返っているんですが(w
 しかし、梨佳が店にやってきた事を知ると、アミバ様は接客に応じたボーイを「ドン!」と押しのけ、フレンドリーに話しかけてきます。でも表情はものすごく邪悪!!相変わらずセリフと表情が全然合っていません。まあ相手は目が見えないから別にいいんですが、見えている人間には非常に笑えてしょうがありません(w
 

「僕のために…僕を指名するために
わざわざ来てくれたんだね…ありがとう…」
「い、いえ…でもそんなにお金をたくさん持ってないから…」
「大丈夫ですよ…今回は初回の5千円と指名料だけですから…」


 そうか、指名料でウン百万円ぼったくるつもりなんですねアミバ様!!なるほど。実に狡猾だよ!

 で、アミバ様は「店はまだオープンしてないから開店前までお茶でもしよう」と、梨佳を外に連れ出します。
 しかし梨佳とアミバ様が一緒に歩いているのをロミオの下っ端ホストが目撃!!慌てて遼介にその事を伝えに行くのでした。


 で、その頃ロミオではホストたちを集めての、店長によるミーティング中。今月の売り上げを発表しています。それにしてもロミオの店長、ずいぶん久々に出てきたなあ。半年振りくらいか?
 それとドラマ化までされたんですから、いい加減店長に名前ぐらい与えてやれよ倉科先生!!

ちなみにTOP3は以下のとおり。


第3位 卓也  723万円
第2位 修さん 1150万円
第1位 遼介  2280万円


 卓也(ヤムチャ)のTOP3入りに驚くホストたち。まあでも、ヤムチャはもともとエロティカのNO.1 ホストだし、元アイドルなんですから、このくらいは当然と言えば当然かと。いくらヘタレ化したとはいえ。
 そして修さんもいつの間にかNO.2ですか。昔は全然売れなくて、ほとんど遼介のヘルプで食わせてもらってて、「ハッキリ言っていつロミオを辞めようかと思ってました」とまで言ってた時期もあったというのに。人は変わるものだなあ。それともこれはドラマ化の影響か!?
 つーか、遼介あまりにも稼ぎすぎ。2位の修さんにダブルスコアつけてるじゃないか。すげー。


 と、そんなところに先ほどアミバ様たちを目撃したホストたちが駆け込んで来ました。


「りょ、遼介さん!この前の目の見えない女の子がスナイパーの零に!!」


 うーん。そういえば遼介がホストから「さん」付けで呼ばれるのって、コレが初めてじゃないかい!?初期の遼介派のメンバーはみんな先輩ばっかりだったしなあ。

 とにかく、その知らせを聞いた遼介たちは、ホストを7〜8人ほど従えて、アミバ様を追いかけ、歌舞伎町をひた走ります。なんかこの疾走シーンのコマがものすごく不自然極まりなくて、メチャクチャ笑えます。


 そしてついにアミバ様と梨佳に追いついた遼介たち。


「梨佳…これはどういうことです?なぜ、そんな奴と一緒に?」
「そんな奴とはひどいな…ロミオの遼介さん…」


 確かに人をつかまえて、いきなり「そんな奴」呼ばわりしちゃ、第三者からして見たら、遼介の方が悪者に見えるかもしれないなあ。しかし怒り狂った遼介の口調はさらにヒートアップ。


「その娘はおまえが触れていいような人間(ひと)じゃない!!
梨佳さんからその手を今すぐ離せ!本気で殺すぞ!!」


 おいおい、遼介がなんかとてつもなく血生臭いこと言ってますよ(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル  なんかこのままだと金属バット持って1500秒もかからずにアミバ様をSATUGAIしてしまいそうな勢いです。じつにKOOLです。まあ、遼介は元暴走族だしなあ。

 しかも注目すべきことは、このシーンが1ページフルに使ってのコピー(合計2ページ)で表現されていること!!そう、まるで漫☆画太郎先生がよくやる技法にそっくりなのです!! すごいよ井上先生!!連ドラ化が決まって新規読者が手に取るかもしれないという時に、この素晴らしすぎる手抜き……じゃなかった、演出を施すとは!その心意気に惚れそうだよ!!


 とまあ、こんなカンジでアミバ様につめよる遼介。果たして何も知らない梨佳はどんな反応を見せるのか…?次週へつづく。