メタルの祭典「サタニック・エンペラー」に参戦することになったDMC。「パイパニック・チェーンソー」をクラウザーさん抜きで完全勝利を収める一方、急に腹痛を起こして関係者トイレの前で順番待ちをしているクラウザーさんの前に、スカトロメタルバンド「デズム」が姿を現すのでした。
今回のお話はDMCというよりも、デズムにスポットの当たったお話ですねー。
「おい毅、さっきのステージ
なんでケツの下にもぐり込んで来おへんかってん?」
2回戦のライブ終了後、デズムの楽屋内。リーダーの“便秘の富樫”が、ギターの“ゲリの毅”に対して“死神の便意”パフォーマンス中に、一人だけギターを弾き続けた事に対して怒りをあらわにしています。
「なんで来んかったんやって聞いとんのや!!
あの“死神の便意”はメンバー全員でやらな完成とは言えへんのや!!」
しかし毅は富樫のいうことを完全に無視。タバコ持ってたそがれています。他のメンバーが慌てて富樫を止めに入ったり。
(オレ達はどこからすれ違いはじめたのか…)
ここで回想シーンに入ります。
数年前。この頃のデズムはまだ普通のデスメタルバンドでした。富樫と毅(2人は中学の頃からの親友)も仲が良くて…。もっとも、メンバーの便意は今と大して変わってないんですが(w
そんな彼らは、ジャック・イル・ダークの世界崩壊ツアーの対バン相手に選ばれたとあって、大張り切り。ジャックへの尊敬の念を感じている彼らにとって、対バン相手に選ばれたということは、この上ない光栄なのです。
顔なじみのマスターのおやっさんもリーダーの富樫に暖かい声援を送ります。
ところが…直前になってジャックの対バン相手が、DMCに変更となってしまいます。怒りをあらわにする富樫と毅ですが、自分達を差し置いて対バン相手に選ばれたDMC…。いったいどんなヤツらなんだと、DMCとジャックの対バンライブを観に行く事にしました。
そこで富樫達が見た光景…。それは、ジャックへの尊敬の念がひとかけらも感じられない、DMCの圧倒的なパフォーマンスでした。
挙句のはてには、DMC地獄の人文字2パターン目まで披露してる始末。
しかし、見た目(世を忍ぶ仮の姿)はゴボウ男なのに、あんなガタイの良いジャックをM字開脚で軽々と持ち上げるとは、なんて力持ちなんだクラウザーさん!!
とにかく、デズムにとってDMCのパフォーマンスは衝撃的でした。ライブ終了後、富樫が会場の外でみんなに熱弁を振るいます。
もしも自分たちがあのステージに立っていたら、ジャックを拍手で送るようなライブしかできなかっただろう…。
「せやのに奴等は今夜ここで世代交代をなしてみせた…
メタルをやっててジャンクを知らねえ奴はいねえ!!
なのにジャックをそのへんのジジィを転がすようなパフォーマンス!!
ヤツらの行為こそが本当のジャックへの花むけなんや!!
正直な話、デズムがこのままの音楽(メタル)を続けても
DMCを超える事はムリや思えへんか?
このままだとDMCの時代が来てまうで…」
この間、彼らの後ろを歩く根岸(ジャック知らないし、やめる気満々です)との対比が実に笑えます。
その日から富樫は考えます。DMCを超えるため、デズムに破壊力がある何かを加えたい…。
なじみのバーでひとり悩む富樫に、おやっさんは「自分の信じた道を突き進めばうまく行くもんや」と暖かいアドバイスを送ります。そして…。
「半年前オレが嫁さんに逃げられたん知ってるやろ…
あれは俺が酒に酔うて
嫁さんの布団にクソもらしたんや
今はそれを誇りに思っとる」
うおお、なんだか無駄にカッコいいぜおやっさん!!言ってる事は確実に間違ってるけど(w
おやっさんの言葉に感銘を受けた富樫は迷いを振り切り、デズムの進むべき道を見い出します。それは…“スカトロメタル”。
早速今度出す2ndシングル“13日の金曜日”のタイトルを“13日の糞尿日”に変更しようとしますが…。ここで毅が猛反発!!
「オレ達がやってるのは仮にもメタル
色もののお遊びで音楽ができるかい!!
こんなもん!!ケツ拭く紙にも使えへんわー!!」
企画書?ビリビリに引き千切った毅を富樫は思わずブン殴っちまいます。
「デスメタルもスカトロメタルも
メタルはメタルちゃうんかー」
「ちゃうわー」
おお、なんだかここだけ絵柄が違う(w
無駄に描きこまれた富樫と毅がなんだかカコ(・∀・)イイ!! ぞ。
結局他の2人は富樫の考えに賛同。毅も3人の説得により渋々バンドに残ります。
こうして生まれ変わったデズムは2ndシングル“13日の糞尿日”を世に出し、人々の脚光を浴びると、3rdシングル“ガッツキ肥溜めさん”は、DMCもなしとげていないインディチャート3位にランクイン。こうした活躍が認められ、デズムは“サタニック・エンペラー”に招待され、今に至る…というわけです。
そして出陣直前、富樫が毅に言葉をかけます。
「俺のワガママで今まですまなかったな、毅…
今日の対バンで分かるはず…俺達が今までやってきたコトの答えが…
流れへんクソもあるゆうコトを教えたるわ」
さて、一方のDMCはというと…。クラウザーさんはズボンが全然乾かずにご機嫌ななめなご様子。
(こんなビチャビチャのズボンを履いて
風邪でもひいたらどうするんだ!!
アイツらが便所を占拠しなければ
こんなコトにならなかった…
なんで来たくもねえ場所に来て
こんな目にあわねぇといけねぇんだ!!)
悪魔的メイクをしながら、この怒りをデズムにぶつけたくて仕方がありません。
(なにがスカとロメタルだ、色モノ企画モノの匂いがプンプンするわ!!
メタルは外見じゃねぇ!!中身だ!!
デスム…お前達の逝く場所は地獄じゃねぇ…下水道だ!!)
因縁の2大バンドがぶつかり合う時、なにが起こるのか…!?次回へ続く!!
若杉公徳先生の巻末コメント
「担当に犯られたアシスタントの子が辞めました。」