[バレンタイン心中」その4 「おやじが現場で爆死した」


 情熱に任せて家を飛び出した春菜はボロっちいアパートを借りて、町外れの小さな食堂でバイトをしていました。「汗をかいて働くって新鮮でなんて気持ちがいいんだろう」と労働する喜びを感じている様子。


 そんなある日、春菜は出前を頼まれます。お店のオバチャンは「あそこらへんは危ないから気を付けるんだよ」とか言ってますが、その場所は真っ昼間から、浮浪者が道端でぶっ倒れているわ、ゴミが散乱してるわで、相変わらずの犯罪発生率レッドゾーン!!


一刻も早い警察署の建設が望まれます。
つーか、この町の市長は、一度「シムシティ」プレイするところから市政を勉強し直せYO!!と思った。



 で、着いた場所は「御暮路(おんぼろ)荘」という身もフタもない名前のボロアパート。
 出前を頼んだ部屋に入ると、ひとりのオヤジが布団で臥せっていました。話を聞いてみると、このオヤジは岡パパンの建設会社で安い賃金で働かされてたけど、身体壊したらクビにされてなんの保障もないやなどと嘆いています。それを聞いて複雑な思いの春菜。
ところが、お勘定を払おうとした時に、このオヤジ、とんでもない事をほざきやがるのです。


「あ…お嬢ちゃん……すまない…150円しかないんだ…」


ちょwwwだったら最初から出前なんか頼むなよ!!


というか150円しかないのを承知で出前を頼んだんなら…このオヤジ、初めっから踏み倒す気満々じゃねーか!!


しかし春菜は、オヤジの話を聞いてるうちに情が移っちゃったのか、「いっいいですお金、病気早く治して下さいね」とそのまま帰っちゃうのでした。

騙されてる!!あんた騙されてるYO!!
きっとこのオヤジ、春菜が出て行った直後に「ニヤリ」と邪悪な笑みを浮かべているに違いありません(w



 一方、綾の方でも動きが。現場で働いていると、同じ現場で働いている綾のパパンの手には、見慣れないモノが…。


「おやじ、なんだよそれ…」
「ああ…急遽配置が変わって

ダイナマイトで午後から山を崩す事になったんだ」



 


なんという急展開!!


そして、最初からクライマックス全開な死亡フラグ!!
パパンの顔からして、すでに死亡フラグが漂っているのが、さらに泣けます。


言うまでもありませんが、ダイナマイトのような危険物を取り扱うには、ちゃんとした資格が必要になります。
もちろん綾だって「そんな事おやじがやっていいのかよ!?」と主張するんですけど、パパンは「でも、言われたことはやらんと…」と口にするのみ。
どうやら拒否権なんてこれっぽっちも無いようです。なんという過酷極まりない職場なんだ(w



そして案の定、しばらくすると大爆発。どかーん。


「たいへんだっ、りょ…綾くん、お父さんが!」


お…親父―――っ!!・゚・(ノД‘)・゚・


しかし、「父親が爆死」って…ここだけ取り上げると、とても少女マンガとは思えん(w



 変わり果てた父親の姿。爆死したって割には損傷があんまり無さそうなのはさて置き、自宅でおっさんと悲しみに暮れている綾でしたが、間髪入れずに突然自宅に立退き屋が現われ「出てけ(゚Д゚)ゴルァ!」などと言われちまいます。なんというたたみかける展開!!


しかも用意された立退き状が…。



 


なんですか、この法的効力が全く無さそうな紙っ切れは(w
小学生がゴッコ遊びで書いたモンじゃんか、これじゃ!!


まあ、この一連のパパン爆死 → 地上げ屋の流れは、綾にムカついた尚樹の仕業なんですが…そんな事を綾は知るよしも無いわけで。


結局綾はボッコボコにされ、ドブ川に捨てられてたところを、春菜が見つけて自宅へ連行。綾に今自分が家を飛び出し部屋を借りて食堂で働いている事。そして自分の父親が世間からものすごく恨まれている事を話すんですが、綾はそんな春菜の会話を遮って、突然


「おやじが現場で爆死した」


ちょwwww事実とはいえ、いきなりぶっちゃけ過ぎ!!


「お前のおやじはおれのおやじまで殺したんだっ
お前に何がわかる!家出てアパート借りて働けば何でも分かると思ってるのか!!
今までぬくぬく育ってきたお嬢さんが、ふざけた事言ってんじゃねーよ!!」


我を忘れて、感情に任せて、思わず春菜をレイープしてしまいそうになる綾でしたが、すんでのところで思いとどまって、家を飛び出してしまうのでした。つづく。