2月14日。綾が職場仲間である源さんのクビを取り消すために、岡パパンの家に乗り込んだ次の日。綾とおっさん(綾の父親の弟で、売れない新聞記者)はある現場に来ていました。
完成して何年も経つのにいまだに使われていないトンネル。
去年完成したのに全然車の通らない高速道路。
とっくに終わっていいはずなのに、まだ半分も完成していない現場…。
「全部講談建設と、政治家松本成伴の仕業だ
目的もない大掛かりなものばかり無意味に作り、施工期日を倍に延ばし
政府から金を巻き上げられるだけ巻き上げてるんだ
あいつらはな、おれらを人間だと思っちゃいない…
ヤクザを使えばいくらでも代わりは見つかるからな
しかしそのせいで街にはよそ者が入り込み
おかしな奴らがハバを効かせ
治安は悪くなるばかりじゃないか!!」
すべての原因は春菜の父親である岡パパンと、尚樹の父親である松本の腐った関係が原因なんだと、おっさんが熱く語っています。
それにしてもずいぶんとボロクソな言われようです。
これじゃまるでどこかの大魔王みたいな言われ方じゃないか(w
おっさんの力説がしばらく続くのですが、昨日の綾の体を張ったダイナマイト脅し作戦によって、源さんのクビが取り消され、今日から
現場復帰した…って。
ちょい待てええッ!!
源さん、前回の時点で明らかにボロボロだったじゃんか!!
一日前の様子(上のコマ)を見る限りだと、なんか明らかに手足骨折してるっぽかったのに!!
でも現場では、源さんがふらついた足取りながらも、コンクリートの袋を担いで、元気に?働いています。
ちょwwww骨折1日で完治しとるwwww
なんという強靭な回復力!!人間離れしているにもほどがあります。
もしかしたら源さんはナノマシンでも組み込まれた超生命体なのか!?きっとこの分だと、源さんは腕がちぎれても、ナメック星人みたいに再生できるね。間違いない(w
しかし、そんな源さんも、コンクリートの袋を肩に担いで運ぶ途中で、走ってすれ違う人と肩がぶつかった拍子にバランスを崩し、積んであった丸太にぶつかった拍子に丸太が落下!!源さんはそのまま丸太の下敷きになって…。
源さん、死んだ―――!!
なんか回復力は人間離れしてたくせに、あっさり死んじまったなあ。どっちにしろ源さん(´・ω・) カワイソス。
一方。綾のことが気になって気になって仕方がない春菜は、昼食のときに冴子にその気持ちを打ち明けます。
「彼のコト考えると、胸がドキドキしてせつなくなって会いたくって…
どうしてこんなふうになるのか、自分でもわからないの!!
尚樹くんよりもずっと彼のことが気になるの!
尚樹くんじゃドキドキしないのに、あの人にはドキドキするの!!」
まあ要約すると「尚樹くんのようなゴボウ男じゃ濡れねえんだよ!!」ってことですな(違)
春菜はそのままごめんね…と立ち去っちゃうのですが、残された冴子は「あの男より尚樹のほうが劣るってわけ!?」と怒り心頭です。
(――あんな女…幸せになる資格なんてない……っ
春菜っ、メチャクチャにしてやる!!)
うーん。尚樹に対する障害はなくなったのだから、別に放っておけばいいんじゃ?と考えるのは自分だけ?
ともあれ冴子は持ってた空き缶を握りつぶしてブン投げ、春菜を落としいれようと決心してしまうのでした。
そんなこととはつゆ知らず、春菜は学校が終わったあとの夜、どうしても綾の事が忘れられなくて、治安の悪そうな歓楽街へと足を運びます。
(――わたし…何やってるんだろう
こんな酒くさいならず者が集まる場所で……
――でも今の私は彼を探さずにいられない
どんな危険な(アブナイ)場所でも…)
で、問題の「治安の悪そうな歓楽街」なのですが…なんかいかにもって感じの男たちが、道端で平気で酒飲んだくれて吐いてます!!シンナー吸ってます!!女とやってます!!
なんですか、この「シムシティ」で言うところの、犯罪発生率真っ赤っ赤タウンは(w
「クリスマス心中」のあとがきによると、山崎みちよ先生は「クリスマス心中」を描く際に、キャバクラや新宿界隈の怪しいところを探索取材したと書いてあるのですが、いくらなんでも…。
新宿の治安はここまで劣悪じゃねえええ。
すると綾が偶然にもある店に入るのを目撃。そのまま店の中に入ります。周りにいた綾の知り合いの男たちは、春菜が岡パパンの娘だとわかると、態度が豹変。
「何しに来たんだよ、人殺しのくせによ!!
ケガしたヤツを次の日には現場に戻して普通に働かせやがって!
おかげで源さんは死んじまったんだ!!人殺し同然じゃねーか!!」
まあ、たった1日で骨折が完治するような奴なら、普通は働かせると思うんですが、そんなツッコミはさておき、結局この後春菜は「源さんがどれだけつらかったか、お前にわかるか…!?」などと言われ、男たちにレイープされそうになりますが、綾が止めたのでとりあえずはひと安心。
しかしその綾は春菜に対して「なんで来やがったんだ(゚Д゚)ゴルァ!」と厳しい口調で怒り出します。それでも「会いたかったから…」と言い出す春菜に…。
「いいか?お前は岡の娘だ
小さい頃から不自由なくキレーな家でウマいモン食って
フカフカの布団で寝て育ってきたんだろ!?なあ!?
だけど、おれはワルだぜ!?」
自分を親指で指差してこんなことをのたまっています。うーん、自分でこんなことを言うヤツに限ってロクなヤツがいないような気がします。「オレは天才だ」とか「オレはマフィアの申し子だ」とか(w
その後も綾は春菜に対して、互いの身分の違いを口にします。
「小さい頃からビンボーでロクなモン食えねーで
寝るのだってせんべー布団1枚
高校も行かずにお前のオヤジにこき使われて働いてっ!
楽しみったら、酒とタバコと女とヤることぐらいでっ
そんなオレを好きだって!?笑わせるな!
オレはなっ、お前とは違うんだ!
ドブ川と工場の煙と
血と汗にまみれて生きてんだよ!!」
身分の高いほうが低いほうを振るってパターンはよくあります。しかしその逆というのは非常に珍しいです。
でも、何もそこまで自分を卑下せんでもなあ。とくに最後の3行とか。
それでも春菜は「あなたがドブ川にまみれてきたなら。私もドブ川にまみれてみせる!!」と諦めないんですが、「酔狂言ってねーで早く帰れ、もう二度と来るなっ」と言いのこして綾は退散。残された春菜は心の中で(自分は間違っているの!?)と自問自答してるんですが、
そんな一部始終を、何者かがカメラでばっちりと撮影していたのでした。つづく。