今週の「週刊漫画ゴラク」に載ってた渡辺保裕先生(代表作・「ワイルドリーガー」「内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎」など)の読みきり漫画、「ドカコック」について書きます。
今週の読み切りは第2話目。
ちなみに参考までに、第1話を取り上げてるレビューサイトさんは、コチラ。
今週のお話は、さすらいの職人(ドカ)、京橋建策(以下「ドカコック」と表記します)が、桜島のある工事現場「橋田組」に流れついているところから始まります。
この「橋田組」。先代が死んで、今はその娘である「橋田州画架子」(以下「お嬢」と表記します)が切り盛りをしているんですが、父親の代から仕事している古参ドカ達と、いつもソリが合わずに喧嘩ばかり・・・。
でまあ、このお嬢が、実に萌えも色気もありゃしない(w
見てくれも土方というよりは、地方のレディースにしか見えません。
サラシを巻いたそのおっぱいは、なにげに大きく、しかも喧嘩シーンではちょっぴり乳輪がはみ出しちゃってるコマもあるんですが、なんだか全然嬉しくありません・゚・(ノД‘)・゚・
まあ、渡辺センセの女性キャラは所詮こんなのばっかりなので、仕方ありません。
そもそも渡辺センセの漫画は萌えではなく、暑苦しさで勝負する漫画じなんだから、こんなのでも別に全然関係ない…と言ったらそれまでなんですがね(w
仕事中も争いの絶えない、そんな空気だからなのか、せっかくの楽しい時間である昼メシの時間も、殺伐とした空気の中で、用意された弁当を口に運ぶだけ…。というわびしい行為に。こんなんじゃ食欲だって湧きやしません。
言ってるそばから、お嬢と古参ドカ達が、またしても喧嘩おっぱじめちゃってますし。
そんな中、ドカコックは一人「俺には関係ないモンね」と言わんばかりに、用意されたお弁当をもくもくと食っているのですが、完食すると
「さて、厨房を拝借しよう」
と言いだし、突然食堂の厨房に入ります。
出された昼飯をきっちり平らげてから料理を始めるのは、厨房を貸してくれることへの礼儀なんでしょうか。義理堅いなあドカコック。
「現場に書かれた一橋一家
その言葉の持つ意味、その重みを…」
思い出してもらおう、ドカコック!!
厨房に立ったドカコック。まずはセサミ(ごま)をすりこぎでゴリゴリとすり始ます。
「お…おい、このスピードは…」
「このスピードの回転はッ!?…まるで…」
「まるでオーガスクリュ――ッ!!」
「オーガスクリュー」ってのは、回転によって掘進を行うアースオーガ用のら旋状の掘進具のこと。
あまりに激しいゴマすり動作が、いつも身近に慣れ親しんでいる行為とかぶって写り、ドカたちの心を引き付けているのだ!!…たぶん。
そしてすったセサミ(ごま)をサラダオイルと共に巨大中華ナベに放り込むと、さらに白飯(橋梁下部工)も加えて、これまた大きなスコップで、豪快に炒めあげる!!
そして再び一斉に叫びだすドカ達!!
「おおッ!!あん動きはッ!?」
「あんおタマの動きいうたら―――ッ!!」
「スコップばいッ!!!」
「ドカの基本スコップじゃッ!!」
「ドカの感情が掘り起こされもす!!」
「そうたい…掘り起こされるたい……!!」
「ドカの激情(エモーション)を…!!!」
掘り下げろ、ドカモーション!!
ドカコックの背後には、一心不乱にスコップで大地を削るドカ達のイメージ映像が!!
あまりに激しいゴマすり動作が、いつも身近に慣れ親しんでいる行為とかぶって写り、ドカたちの心を引き付けているのだ!!…たぶん。
そして平行作業で、トッピング(上部工)作り!!芋焼酎仕込みのタレで漬け込んだ、鹿児島産黒毛和牛10キロ(橋桁架設工)を設置した網の上で豪快に焼き上げる(床板工)!!
たちまち込み上げるお肉の香ばしい匂いが、ドカ達の食欲をくすぐる!!
「たッ、たまらんバイ!!」
「よか匂いじゃーッ!!」
「はよう食いたかッ!!」
「肉好きじゃ!!」
「おまえも好きね?」
「気が合いもっそ!!」
「おいもじゃ!!」
「よか薩摩ッぽんじゃ!!」
すると、アレだけいがみ合っていたドカたちが、いつの間にやらみんな笑顔で意気投合!!
それはまさに先代がいた頃の、一致団結してた橋田組の雰囲気…!!
つまり、ドカ達は「お肉」の前ではみんな仲良しってことですね!!
ラブアンドピース!!恐るべし「肉」パワー!!…でも、なんだか身もフタもないなあ(w
やがて炒め終わった焼飯をどんぶりに盛り付け(橋梁付属物工)、その上に焼き上がった極上の肉をトッピング(舗装工&設備工)!!
そしてついに料理が完成。ドカコックは、一つの仕事をやり終えた満足感たっぷりな表情で「さあ、食べてくれ…」と皆に言います。その料理とは…!!
ドカルビ焼飯丼!竣工!!
「ドカルビ焼飯丼」のあまりの完成度に、みんなは「ドカモーショナルッ!!」と最大限の賛辞を送るのでした・。
しっかし、実際ドカコックがやった事って、
「ゴマすって焼飯作って 肉焼いて乗せただけ」だというのに
どうしてこんなに熱い展開なんだッ!!
しかも料理の工程でいちいち工事作業用語が出てくるし。なんだかワケわかんないけど、すげえゼ!!
これがドカコックたる所以なのか…。
そしてドカコックが作り上げた料理を、みんな我を忘れて、貪るように喰らいつくドカ達。当然みんなの評価は最高!!
橋田組古参ドカの大久保デーブ利道(日系2世・51歳)に至っては、ドカコックの料理に対して…。
(World's cultural and natural heritage)
「こいはまさに世界遺産級ッ!!」
これ、わざわざ「世界遺産級」って言葉に、英語でルビが振ってあるんです。マジで!!
全くとんでもないバカ演出!!でもKAJIMEはこんなバカ演出、キライじゃないゼ!!
そういえば渡辺センセの作品「内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎」も、アニメ版じゃバカ演出ばっかりだったっけなあ(′・ω・`)
そして最後は、全てのドカ達が満面の笑みで、最大限の賛辞を送ります。
「ドカうま――ッ!!!!!」
つまりドカコックの料理はそれほどまでに価値のある料理だったんだゼ!!ってことのようです。全くお前ら、揃いもそろってバカばっかりだぜ!!
みんなが「同じ釜の飯を食う喜び」を思い出したところで、ドカコックは引き止めにも応じずに立ち去るのでした。
そう、ドカドックはさすらいの身!!この世にはまだまだ彼の料理を求めるドカ達がいるのだから…!!
流れドカにはお嬢はやれぬ
やれぬお嬢が行きたがる
察して流れるドカコック
男京橋心意気!!
桜島をバックに、モーターボートに乗って立ち去るドカコックの後ろ背中がカッコよすぎだぜー!!
…とまあ、こんな漫画でした。
やはりツボにハマった時の渡辺センセの漫画は、神がかり的に熱くて面白いなあ。
「ユーアーマーベラスドカ!」
「ドカモーショナルッ! 」
「エブリバディフレンドリーランチ… 」
などという、「言葉の意味は良く分かんない横文字」も、なんだかカッコいい響きに聞こえるし(w
まあ、仮に「ドカコック」が、ゴラクで週刊連載されたとしても、この漫画ワンパターンなんで、すぐ飽きると思うんで、月1連載ぐらいのペースでやってほしいなあ(′・ω・`)