上の見出しは、若杉先生のアシスタント募集に書かれていた項目です。
ファック!!凄いセンスしてるぜ白泉社!!もうビチョ濡れたわ!!
かつてDMCと対バンをして、クラウザーさんに「悪魔のギター」を託した、「ジャック・イル・ダーク」。その娘・ケニーが日本に来日してきました。
彼女の来日の理由は、クラウザーさんが「悪魔のギター」を受け継ぐにふさわしい人物であるかを見極めるため。しかし相撲の力士を影で操ったり、寿司屋で職人の耳を握ってもらおうとしたり、DQNを即興で手なずけてしまう、クラウザーさんの悪魔的行為を認めたケニーは「この男ならあのバンドにも対抗できる…」と、何やらたくらんでいる模様で…。
さて。突然ケニーがクラウザーさんに「話があるの」と、一軒のバーに案内します。バーの名前は「サンズ・オブ・サタン」。ケニーが日本に留学していた頃に、よく通っていたというこのバーは、店の前でカップルがアオカンしていたり、麻薬中毒患者が「売ってくれー」と叫んでいたりと、非常にスラムなにおいのするお店。
店内に入ると、床にはなぜかスパイク(トゲ)を立ててあったり、チェーンソーが床に転がっていたり、なんか人がひとりぶっ倒れていたり…なんとも猟奇的!!
そう。ここは凶暴なメタルバンドのファン達が集うバーでした。もちろんDMC信者の皆さんもたむろしており…。
「うわ―――!!クラウザーさんが“サンズ・オブ・サタン”に来たぁ―――」
「女を連れてるぞ、犯っちまうんだ、犯っちまうんだぁー」
突然現れたクラウザーさんを熱烈歓迎します。バーのマスターも、シャッチョさんがよく来てくれるということもあって、やはりクラウザーさんを歓迎してくれました。
さて、こんなものすごい店で、クラウザーさんが注文したものは…。
「ではコウモリと豚の血をカクテルをくれ」
どうせそんなモンは置いてないだろうとタカをくくって、ムチャな注文をして見せるクラウザーさん。ところが…。
「かしこまりました」
あるのかよ!!さすがメタルのたまり場。ハンパじゃありません。それならばと、今度は…。
「あ、やはりそれはやめて
虎の脳みその煮込みをくれ
で、牙は削って薬味にしてくれ」
「少々お時間かかりますがよろしいですか?」
すげー!!ハンパねえぜ“サンズ・オブ・サタン”!!きっとこの店なら「ドーピングコンソメースープ」だって置いてあるね。うん。間違いない(w
さすがにビビったクラウザーさんは、カルアミルクとほうれん草とベーコンのクリームパスタという、お遊戯的なゴボウメニューを、適当に誤魔化しながら注文するのでした。
ちなみに「虎の脳みその煮込み」は、この店では「魔のメニュー」なんだそうな。
さて、酒を飲みながらケニーの話を聞くクラウザーさん。ケニーは自分の名刺を渡し、身分を明かします。名刺には「プロジェクト・イル・ダーク」「代表取締役社長」の文字。
彼女は「プロジェクト・イル・ダーク」(以下・PID)という、メタル向上のために設立された会社の女社長でした。そんな彼女の会社・PIDが日本で密かに勧めていた計画のイベント。それは…。
「サタニックエンペラー」
…それは、闇で活躍する凶悪なメタルバンドを集めて、開催されるフェスティバル。なんかもう聞いただけでおっかなそうなイベントです。
クラウザーさんも露骨に嫌そうな顔をしますが、ケニーによると、既にシャッチョさんから全員分のサインをもらっているわ、とのこと。クラウザーさんはそんなサインをした覚えなどないのですが…。
ジャギ様の本名が「アレクサンダー・ジャギ」だったり、カミュさんだけ本名ないのかよ!!と、突っ込みどころ満載のシーンですが、ひときわ目立つのは… 「梨元圭介」の文字!!
やる気マンマンだよ、資本主義の豚!!
というか、梨元さん以外は明らかにシャッチョさんが書いたっぽいんですがね。もちろんクラウザーさんのサインはシャッチョさんの字ですが(w
ちなみに、このイベントにはどんなバンドが出演するのかと言うと…。
まずは、関西から名乗りを上げた、スカトロメタルの「デズム」。
ひたすら「俺のコソ食え」「クソクソクソ、クソ食えー」「そしてクソ食わせろー」とシャウトする彼らは、ある意味非常に男らしいです。
しっかし、関西のインディーズシーンは、こんなスカトロメタルに支配されてたんですか。いったい関西には何があったのか。
続いて注目株なのが、轟音メタルバンド「狂牙鬼走」(きょうがきそう)。
日本最強だったバイクチームのメンバーが結成した、なんだかよく分かんないけど凄そうなバンドです。まさかこいつら、バイクころがしながら演奏するのかー!?だとしたらとんでもねー!!
しかしそんな恐ろしいバンドの名を挙げられても「ふっ、ザコばかりではないか、日本はもう制したはずだぞ」と、余裕綽々のクラウザーさん。まあ、ほんとはビビってるんですけど(w
そしてケニーが最後に挙げたバンドの名。それは、ノルウェーのバンド「ヘルヴェタ」。
そのバンドの名を口にした瞬間、バーの空気が一変。お客さんに緊張感が走ります。
そしてケニーの口から突如明かされる、父ジャックがメタル界から引退した理由。
それはDMCとの対バンだけではなく、もうひとつの理由があったのです。
ジャックは日本のあとで行われたノルウェーのライブにおいて、「ヘルヴェタ」によって、はりつけにされた挙句、タトゥーを彫られたそうな。
さらに、「ヘルヴェタ」自身も、離陸寸前の飛行機に放火したり、互いの両親を殺しあおうとしたり、高層ビルに爆弾を仕掛けたりと、数々の伝説を持っています。そんな彼らが狙うのは、クラウザーさんの持つ「悪魔のギター」。今回のイベントにもすぐに契約にサインをし、血の刻印までしてあります。
クラウザーさんとしては「ギターがいるなら送料負担でノルウェーに送ってあげるから」ってのが本音ですが、ケニーはクラウザーさんにも血の刻印を迫ります。DMC信者達も今回のフェス参加を後押しする歓声をあげるので、もう契約を結ばざるを得ない雰囲気です。
ここで断れば、DMCは逃げたことに。自分としてはやりたくないけど、こんなのがシャッチョさんに知れたら…。
追い詰められたクラウザーさんは、店内に自分のアルバムをかけさえ、店の客達の気をそらせているうちにトンズラしようという、地味にこすい作戦を敢行。マスターに自分のアルバムをかけさせると、店内に1曲目「ヘルズ・コロシアム」がかかりだし、客の雰囲気は盛りあがり。
ヘルズ・コロシアム
作詞:クラウザーII世
我想う ゆえに我あり
我想う ゆえに我あり
我殺る ゆえに我殺り
我殺れ 地獄の底、殺り合え
殺れ 勝敗は次の地獄まで 殺れ
殺れ 殺られる前にみな殺れ
殺られ墜ちた地獄でもまた殺れ
我殺られてもなお殺れ
勝敗などない地獄の格闘場
殺れ 殺りきってもなお
我殺る ゆえに>我殺り
この曲に呼応するかのように、店内はお客さん達が大暴れの大乱闘。でも殴られた客の血が飛んで、契約書に突いちゃったら大変なことになるので、クラウザーさんはパスタの皿の下に契約書を置いておきます。
しかしケニーがふたたび血の刻印を迫った時、うっかりパスタソースをこぼしてしまいます。すると。
「みんな、クラウザーの緑の血の刻印を貰ったわよ〜〜〜〜!!」
「うおー、やはり悪魔の血は緑なんだ」
「ヘルヴェタは赤い血だった、やはりクラウザーさんは本物の悪魔だ――!!」
みんな、ほうれん草のパスタのソースを、クラウザーさんの血だと勘違い。必死に釈明しても、マスターは「いや、血ですな!!」と断言されちゃう始末。
「クラウザーがパパのカタキを取ってくれるわ――!!」
こうしてフェスの契約を取ったケニーは、大満足でアメリカに帰っちゃったのでした♪
「いや、だから、パスタ、それソース、ホウレン草の、パスタ、パスタ」