熱狂的なDMCファンのB級映画監督「沢井スペルマン剛」の新作恋愛映画に急遽出演が決まったクラウザーさん。 「クラウザーさんに名前を付けるなどめっそうもない、セリフも好きにおっしゃってください」というスペルマン監督によるVIP待遇により、クラウザーさんはありのままの姿で様々なアドリブを披露。スペルマン監督も「オラたちの邪気を少しづつクラウザーさんに分けるんだぁ」なーんてやりまながらもうノリノリで、次々と撮影は快調に進むのでした。ヒロイン役の花江ちゃんのベッドシーンも、クラウザーさんの悪魔玉によって回避することができ、花江ちゃんはさぞやホッとしていることでしょう(w
さて、著名な俳優が演じた場面にクラウザーさんが出演したシーンをブレンドし、スペルマン監督がアレコレ編集して、ついに映画は完成。完成披露試写会が行われることになりました。
ちなみに出来上がった映画のタイトルは…
「ノ・ビーレ」(クラウザーさん題字)
クラウザーさん、映画のタイトルまでお書きになられるとは、さすが魔王だぁー!!
まずは主演俳優の挨拶から。ヒロイン「ユウコ」役の花江ちゃん、ユウコの恋人「タケシ」役の、「東京オシャレ四天王」の一人・外園誠に続いて、クラウザーさんが舞台挨拶をすると、いつものDMC信者のみなさんからは大歓声。この映画へのクラウザーさんの出演にGOサインを出したシャッチョさんも、映画の出来栄えを見守ります。
最後にスペルマン監督が、この映画についてのコンセプトを語ります。
「この作品で私は本当の愛を描きました
愛とは形がなく手に入れようとも容易に入るモノではない人間はそういうモノにひかれる
くだらない生物、いわゆる汚物です
そのクソから放たれる異臭こそが愛だという事を
この作品を通じて感じてもらいたいです」
つまり人間=ウンコ 愛=ウンコのにおい ってことですね!!
恋愛映画を見る前になんてヒドイことを言うんでしょうかコイツは。さすがB級映画監督です。
そしていよいよ試写がスタート。どんなトンデモ映画なのかと思いきや…冒頭シーンはすごくまともな恋愛映画です。タケシとユウコが浜辺で手をつないで、普通にラブラブしてます。
(ああ…こんないい映画だったんだ
タケシ君とユウコちゃん、ずっとふたりが幸せだといいな…)
クラウザーさんも思わずつぶらな瞳になって、恋愛映画を楽しんでいらっしゃいます。
しかしそれとは対照的に、この序盤の展開にざわめきだしたのは、DMC信者の皆さん。
彼らのお目当てはあくまでもクラウザーさんだけであり、こんな普通の恋愛映画なんて見せられても、ちっとも嬉しくなんかないのです。
「オイ始まって2分もたつのにクラウザーさんが出ねぇぞ」
「ふざけてんのか」
「始まりから終わりまでクラウザーさんをアップにしやがれ…」
最初から最後までクラウザーさんがアップの映画…それはそれでなんか凄くイヤです(w
そんなこんなでスタートから42分が経過。DMC信者達が待ちこがれていたものがついに出現します。
「うお〜〜出たぁ、クラウザーさぁん!」
「チラッと出たー」
「店員を土下座させてたぞー」
クラウザーさんがチラリと映っただけで、DMC信者からは大歓声が上がります。
シャッチョさんも「オ〜〜〜ウ、ファ〜〜ック」と、クラウザーさんの演技にご満悦の様子。まあ演技っつっても、コレじゃただのチョイ役みたいな扱いですけど(w
その後もクラウザーさんは、病院シーンで患者の点滴をゴキュゴキュと飲み干したり、電車内で隣が空いているにもかかわらず、おばあさんの上に座ったりと、様々なシーンででしゃばります。
地味に主演ふたりの影にひっそりと映りながらも、確実に目立つ悪魔の所業を次々と行い、そのたびに信者達は大喜び。でもそれ以外の人達置いてけぼりです。
そしてシーンは進み、クラウザーさんがユウコのツノを白目を剥いてこするシーンに突入!!
「でたぁ、アレがクラウザーさんの
“千手角伸死”(せんじゅつののばし) かぁー」
なるほど。映画のタイトル「ノ・ビーレ」は、クラウザーさんのこの発言が元なんですね。ファック!!
このクラウザーさんの迫真の演技に、DMC信者は大盛り上がり。オシャレ四天王の一人・外園誠は「あんなバカ共には俺の細かい演技はわかんねーだろうな」とバカにしてますが、そもそも彼らにはクラウザーさんしか見えていないので、考えるだけ無駄だと思います(w
そして場面はラストシーン!!カゼをひいたタケシにユウコがおかゆを食べさせるシーンです。本来ならココでセクースシーンがある予定でしたが…スペルマン監督はこのシーンが近づいてきてニヤリとほくそ笑んでいます。
「ここからがクラウザーさんのアドリブもあり、
急遽台本を変えて作った…懇親の映像です」
おかゆを食べさせるシーンになると、突如「ガアァァァ」という汚らしい音が鳴り響きます。コレは音声の故障か…?そう思った所で、クラウザーさんが取っている体制は…!!そう、悪魔玉を出す体制!!
ここで2ページ見開きでクラウザーさんが悪魔玉を繰り出すために邪気をチャージングしているシーンが描かれていて迫力満点!!
後ろのイメージ映像で戦争シーンや切腹シーンに混じって、オッサンが路上で女子高生にチンコを露出させているシーンや、将棋やマラソンの場面が描かれているのが意味不明で笑えます。
そして…邪気が十分に蓄積され、皆の力が一つになったところで、クラウザーさんが悪魔玉を発射!!
クラウザーさんが悪魔玉を発射する瞬間、悪魔玉の形がペニスに見えて仕方が無いぜ、クソッタレー!!
そしてこの後、外園くんがカメラを止めさせた時の映像がなぜか使われます。みんなが何だこれはと困惑する中、外園くんとクラウザーさんが会話に。口に入った悪魔玉をペッと吐き出すと…。
外園「だいたいコレおかゆか?なんかドロっとした固まりだったぜ
服にもシワできちまうだろー、一応オシャレで飯食ってんだからよー」
クラウザーさん「貴様は悪魔玉を喰らった
服のシワなどすぐ気にならなくなる」
外園「ハッ、なに言って…< span style="font-size:medium;font-weight:bold;">ヘッ ハレ ヒレ」
突如、外園くんの顔が奇妙な形、風船のように膨らんで・そして次の瞬間!!
「お前はもうオシャレじゃない」
ええ━━━━━━━っ!?
なんだこの北斗神拳ー!!
そうか、真の北斗神拳正当伝承者はクラウザーさんだったんだよ(な、なんだってー)!!
この素晴らしいラストシーンに、シャッチョさんは「濡れたわ!!」と大はしゃぎ。こうしてスペルマン監督の新作映画「ノ・ビーレ」はシャッチョさんの心を掴みましたが、俳優たちの事務所と裁判沙汰になって…。
公開無期限延期になっちゃいました。
しかし、このクラウザーさんが演じる最後のラストシーンは、DMC信者の心に深く刻み込まれたことでしょう。完。
若杉公徳先生の巻末コメント
「妹の結婚式で“SATSUGAI”を熱唱してきました」