(20150727) 彼岸島 48日後… 第43話「優しい男」

彼岸島は「週刊ヤングマガジン」で連載されていた、吸血鬼が住む島彼岸島を訪れた主人公宮本明たちの戦いを描いた、スタイリッシュ丸太アクションホラーギャグ漫画です。


現在は、第3部?に当たる「48日後…」シリーズがはじまりました。
雅(マサ)率いる彼岸島の吸血鬼達が持ち込んだ、吸血鬼ウイルスを媒介した蚊の猛威によって、崩壊した日本。
法も秩序も無い、吸血鬼達が跋扈する荒れ果てたこの地に現れた、片足を引きずり、顔に傷を持つ、左手1本で丸太をぐわしと掴む救世主…。
その名を、宮本明!!



さあ、ついにマサの野郎が潜んでいるかも知れねェ、通天閣の展望台に潜入する事に成功した明さん。
ところが最上階にふんぞり返っていたのは、雅ではなく、吸血鬼になったかつての親友。文具屋の息子にして、様々な丸太兵器を開発してきた、人間軍の司令塔にして、豚汁を仲間に振舞い士気を向上させることも忘れない、豚汁アルケミストの…西山…!西山じゃねェか…!!



マサのコスプレをしている変わり果てた西山は「人間の事などどうでもいい、人間などただのエサに過ぎん」などと平気でのたまい「マサに成りすましてたら、この辺りで最大の集落のボスになったぜー」などと、うれしそうに語る語る…。


ちくしょう、本当にあの頃の、豚汁作ってた西山はいなくなっちまったんだな、ちくしょう…。
そりゃ明さんも思わず、西山の胸ぐら掴んで「どうしちまったんだ西山」って問い正したくもなるってモンですよ!


しかしそんな変わり果てた西山から「お前は全然変わってないな明」と言われ、思わず涙ぐんじまう明さん…。
半年ぐらい前は、みんなで仲良く吸血鬼に立ち向かってたっていうのに、どこで歯車が狂っちまったんだ…。

明さん「一緒に…行かないか? 一緒に雅を倒しに行こう
先の事は後で考えればいい、とにかく今は手を組もう
昔みたいに仲間になろう、西山」


…本来なら“いやいや、今までアンタ散々「吸血鬼は全員殺す(キリッ)」って言ってましたやん!”などと突っ込むところでしょうけど、流石に今回ばかりは明さんの心情を察すると、突っ込めねェ!そんな野暮な事は突っ込めねェよ!
きっと多くの読者だって、また明さんと西山が仲良くキャッキャウフフしてる光景が見てェハズなんだ!…だが現実は非情。


ですが、「もう手遅れだよ」と断りつつも、よーく見ると、西山が目に涙を浮かべてやがるとか…ちくしょう!最高に泣けるじゃねえか、ちくしょう!



そしてここでおもむろに「俺は邪鬼使いなんだ」とカミングアウトし、明さんをぶっ殺すべく、邪鬼をけしかける西山。
もはや戦うしかないのか…。と絶望しちまうところですが、ココで気になるのは“じゃあ西山が操ってる邪鬼は誰よ?”という点。
邪鬼使いになるには、親子とか夫婦とか親友とか、絆の深いヤツが邪鬼にならないと、操れない…ってことは…あっ(察し)。


西山に聞いても「邪鬼の身体のどこかに変態前の姿が残ってるから、自分で探せクソッタレー」とはぐらかすばっかりなんですが
たまたま遠くでその模様を見てたビッチ幸恵が、その変わってない部分を、見つけちまった…。


そこにあったのは、明さんの名前を叫び続ける、黒髪の、女体…!


てっきりウンコマン加藤かと思ってたのに(汗)



いやあ、何から何まで悲しいなあ…。
編集の煽り文では「まさか、ユキなのか!!?」などと匂わせていますが、ひょっとすると、あれはユキだとミス・リードさせといて、実は奈々*1という可能性もあるかもしれねェ。
でも奈々が明さんの名前を叫ぶ理由が特にないし、奈々がずっと血を吸わない理由もない…。
そう考えると、やっぱりあの邪鬼はユキなのかなあ。悲しいなあ。


それにしても今週の彼岸島だけど、驚いたことに、今週は特にギャグらしい描写がパッと見、全然見当たらねェ!
メインヒロインの隊長が死んだ回でも、テンプレギャグを欠かさなかったマッドマックソ先生ェが、本気で非情に徹してやがる…。
おかげで彼岸島スレでも、twitter界隈でも、突っ込みどころを忘れて、みんな素直な感想や、展開予想談義に花を咲かせているという有様。


これじゃあまるで、彼岸島が、まともなホラー漫画みたいじゃないか(えっ)。






*1:西山が彼岸島で吸血鬼にさらわれたりしてた時に仲良くなった吸血鬼の女の子。何故かユキにそっくり