(20091001)今週のカウンタック #209 phone call

 女ナシ、車ナシ、ショボい給料の会社さえ辞めることもできない空山舜34歳(晴矢顔)。浦島龍童じいさんからカウンタックLP400を250万円で譲り受け、「カウンタックLP400を手に入れる」という25年前の夢を叶えることができました。

 三重県のド田舎にある、世界に3台しかない幻の「ウルフカウンタック」を持つ株長者の元引きこもり神谷聖(暗井くん)のお婆ちゃんが危篤状態だと知り、暗井くん達は名古屋の病院までウルフカウンタックで高速をカッ飛ばしていたら、スピードの出し過ぎで警察こと無敵の国家権力様にとっ捕まってしまいました。しかし運転を変わった舜が、タイムロスをカバーすべく爆走したおかげで、なんとか病院に辿り着き、暗井くんはお婆ちゃんの最期を看取る事が出来たのでした。そして…?



事切れるお婆ちゃん。病室内に響き渡る暗井くんの絶叫。慌てて医者が病室に入り、王大人よろしく「死亡確認」。その宣告を、廊下で待機してた舜と、そして舜達を追いかけていた、警官(ポリ)の奔田(ホンダ)・錫木(スズキ)両名を沈痛な面持ちで耳にします。


ですが問題はこの後です。いくら祖母の死に目に立ち会うとはいえ、スピード違反を2度も犯したのはまぎれもない事実であり、目の前にはそれをフン捕まえようとしてた、警官(ポリ)2名がいるのです。果たしてどんな裁きが下されるのか…?


ところが奔田さんは、暗井くんがギリギリ死に目に間に合えた事を舜に確認すると、突然クルリと背を向けて、帰り出し始めるじゃありませんか。

これは、まさか…?そしてこの後の2人のやり取りが、またイカすわけですよ。


「文句があるなら上にでも何でも報告しろ…
オレにも祖母がいた…両親を早くに亡くしたオレを…
祖母は老体にムチうって、懸命に育て上げてくれた…
もしオレが彼らの立場だったら、同じ事をしていただろう」

「上に報告なんて…できるわけないじゃないですか…
自分も共犯ですから」




お…お前らカッコ良過ぎる!!


最後はニンマリと笑みを見せてますしね、2人とも。
ルールは本来、守らないければならない物ではあるが、時にはそれを破ってでもやり遂げなければならない時も有る…ということですね。こういうオチの付け方は実に梅さんらしいですね。良質のロックと言えましょう。。



結局その後、暗井くんの元には「こないだの赤キップは無効だよーん」という旨のはがきが警察から届き、どうやら本当に2人は処罰されずに済んだようです。さすが無敵の国家権力様。スピード違反のひとつやふたつ、モミ消す事なんざ朝飯前ですな(′・ω・`)


これが普通のDQNだったら「ヒャッハー、ラッキーだぜー!!」と大喜びして爆走行為をおっぱじめるんでしょうけど、舜は曲がりなりにも社会人の端くれ。自分へのケジメなのか、車の運転を3ヶ月自粛する事を決意。そして実家に電話をかけると…。


「え!?いや、その…おばあちゃんの声を聞きたくなったんだ」



うーん。良い終わり方だ。つい先週まで、無敵の国家権力様に逆らうような漫画と同じとは思えない終わり方ですな。でもそこがロック。


巻末コメント
Q:心の師匠を教えてください!!
A:たくさんいるので1人に絞れません…。