デトロイト・メタル・シティ TRACK35「SATANIC EMPEROR.4」


 メタルの祭典「サタニック・エンペラー」に参戦することになったDMC。最初の相手は、華麗な豚パフォーマー「ナポレオン」を下すものの、弟の俊くんが「ヘルヴェタ」の儀式の生贄にされそうになってるのを発見して、掘ってあった深い穴に落っこちてしまったクラウザーさんは、ヘルヴェタをぶっ潰すと怒りをあらわに。そして弟の俊くんは一度は穴から脱出したのに、また穴に落っこちるという底抜けのバカさを見せ、クラウザーさんに呆れられてしまうのでした。



 クラウザーさんが穴に落っこちている間に、いつの間にやらサタニック・エンペラー2ステージ目を向かえる時間になっていました。今度の相手はものすごく低いダミ声を発する女性ボーカリストレイを擁する「パイパニック・チェーンソー」が相手。

 しかしクラウザーさんは、ヘルヴェタの怒りに身をませかて一気に弁当をやけ食いしたせいで、本番直前に腹痛を起こして、トイレに駆け込んでしまいました。しかしこんな時に限って、用意された4つの関係者用トイレは全て使用中…。この様子だと戻ってくるのに時間がかかりそうです。


 そうこうしているうちにライブがスタート。「パイパニック・チェーンソー」のステージは大盛り上がり。このままだと客がみんな向こうに流れてしまう…ってことで、やむを得ずジャギ様とカミュさんだけでステージに上がります。DMC信者たちはクラウザーさんの姿がないことでざわめきだしますが…。


「そうかっ、クラウザーさんクラウザーさんヌーボーの方で忙しいんだ
踏みつぶしたポアゾン(ぶどう)を発酵させる作業へと移ってるハズだー」
「パイパニックなんてお2人で十分というコトなのかー」


 クラウザーさん抜きでなめてんのかと怒りをあらわにするレイ。幼いころから低い声のせいで周りからバカにされてきた彼女を救ったのがデスメタルデスメタルを歌うべく悪魔に選ばれた女として、負けるわけにはいかなかったのです。

 そんな悲愴な思いのレイに対し、DMCクラウザーさんぬきのため、ジャギ様が歌わないといけません。



「どうする…根岸が来るまで俺がつなぎで歌っとかねぇと!!
何にしよう…“SATSUGAI”“グロテスク”
“メス豚交響曲”“スラッシュキラー”…うう
失敗は許されねえ!みんなが盛り上がるオレの一番得意な曲だっ!!」



 


ええ―――――っ!?


ジャギ様が歌いだしたのは、持ち歌ではなく、なんとL’Arc~en~Ciel”のHONEY!!万が一のため、ヘルヴェタの対バン用に用意していたジャギ様のカラオケの持ち歌で、カラオケで95点を出したコトがあるんだそうな。まあそれだけの自信があるだけあって「普通に」うまいです。


「うおー、なんだこの曲はー」
ラルク…たしか、ラルクアンシエルの曲じゃねぇーか」
「うおー、普通にウメー」


 そんな普通にうまいジャギ様の十八番を聞いたDMC信者が「まるでカラオケに来てるようだぁー」と言ってます。いっくら持ち歌じゃないとはいえ、一応プロのミュージシャンなのになあ。それは褒め言葉じゃないぞ(w


 あと個人的にはDMC信者がラルクを知っていたことも笑えました(w



 その後もフツーに側転DMC信者的には“悪魔的な角度”らしい)したり、フツーにたいまつに火をつけてジャグリングしたり(この時レイがバンドメンバーに殴りかかったので、ジャギ様の炎で操られてるんだーと勘違いされたり)と、フツーな行動を取り続けるジャギ様。
 カッコよくたいまつをキャッチしようとしたらスピーカーの裏に隠れちゃったりと、おマヌケな一面も見せましたが…。

 この、あまりにも普通過ぎるところがジャギ様の真骨頂なのです。

 それを周り(DMC信者とか)が盛り上げたり勘違いするのが面白いのです。感覚としてはつまんないクソ漫画の揚げ足を取って面白くするってのに似てる…かも知れない(w



 そんなジャギ様の普通っぷりに対抗して、代表曲「流血トレイン」を歌いあげるレイ。さすがにボーカリスト不在のDMCではこの盛り上がりを超える事は出来ない…?

 いやいやいや、DMCにはまだあのお方が残っている……!!





 

カミュさんだ―――!!


後ろからレイのおしりを触って「痴漢電車プレイ」に興じるカミュさん!怒りのレイが繰り出すパンチを華麗によけると、観客に背を向けレイの目の前に立ちはだかり「カチャカチャ」と、なにかを外すような音を立て…。


 


「うわ――れいがとってもカワイイ声を出した―」
「あんな声出したの初めてだー」
カミュさん何を見せたんだー」


カミュさんの何を見せられて、思わず素の「女の子らしい声」を上げてしまうレイ。見た目は凶暴な容姿だけど、中身はウブな女の子ってワケですね(;´Д`)ハァハァ。


(ああ、まさか…自分からこんな声が出るなんて
クソッ、そんなハズはねえ!!)


 それでも我に返ってデスボイスを繰り出そうとするレイですが、後ろからカミュさんの容赦ない攻撃が襲い掛かる…!!


 


「出た〜〜コレはカミュさんの絶対性感だ〜〜〜」
「これがカミュさんのドラミングテクニックの秘密なのかーー 」


カミュさんの華麗なドラミングテクニックで女の声を出してしまうレイ。(私を女にしたのはコイツが初めてだわ) と、カミュさんのテクニックにメロメロです…って、


なんか「ふたりエッチ」みたいな円グラフ出てるー!!


 


そしてドラムスティックでCスポットを刺激しまくったカミュさんは、レイの手にお札を握らせます。

 これはおそらく、さわりまくった後で無理矢理金を握らせて「お金を受け取ったからんだからコレは合意だぞ」という、痴漢の常套手段と思われます。カミュさん手慣れしすぎだよ(w


こうしてDMCクラウザーさん抜きで、パイパニック・チェーンソーを圧倒しちゃうのでした。まあ実質カミュさん一人で勝った様なもんだけど(w



 さてそのころ、依然としてクラウザーさんは関係者トイレが開くのを待ってました。


(いつまで入ってんだこの人たち…
この魔王をどれだけ待たせるつもりだ…
出てきたら即刻処刑にしてくれる!!
どんなクソ野郎が入ってるか楽しみだわ…)


 そう思いながらも、明らかにいっぱいいっぱいのクラウザーさんするとついにトイレのドアが開き、中から男が現れます。



 


長グソの丈二!
とぐろの長谷川!
ゲリの毅!
便秘の富樫!



 


デズム見参!


中に入っていたのは、おそらく準決勝でDMCと戦うであろう、関西のスカトロデスメタルバンド・
「デズム」のメンバーでした。

彼らにビックリしてしまうクラウザーさんですが、気を取り直して用を足そうとしたら…ウンコ流してない!!さすがスカトロバンドだぜ!!


「そうか、奴等はデズム…絶対に許さん!!」


こうしてヘルヴェタだけでなく、デズムにも敵意を燃やすクラウザーさんなのでした。


ところで、最後のコマの「プチッ」っていう擬音は、まさか…。



若杉公徳先生の巻末コメント
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