デトロイト・メタル・シティ TRACK20「CINEMA・1」


 日本映画界の奇才「沢井スペルマン剛」
 代表作に「撲殺コップ」「殺戮のパンダ鮫」がある、アンダーグラウンドでカルト的人気を誇るB級映画監督です。


 そんな彼がデスレコーズのシャッチョさんの元を訪れ、あるオファーを出しています。新しい愛のカタチを描こうと考えている新作に、是非ともあのお方のお力をお借りしたい…。

 台本を読み終えたシャッチョさんは、スペルマン監督の企画する映画の内容を評価したらしく、嬉しそうに台本をビリビリと破りながら、高らかに言い放ちます。


「ヒャーハッハハハ、なかなか濡れさせる作品じゃねぇかファック!!
OK!!
この映画ならクラウザーを出演させてもいいわっ」


 なんとクラウザーさん、銀幕デビュー!!こいつはとんでもねえ映画が誕生しそうだぜ、ファック!!


 しかしクラウザーさんは本来はミュージシャン。本来なら映画に出ることなどありえない話。それでもGOサインを出したのだから、「濡れねえハンパな映画を撮ったらキサマ死ぬことになるぞ」とシャッチョさんに念を押されます。するとスペルマン監督は。


「ハイッ、このオファーをした以上
すでに死は覚悟の上です!!」


 なんという決意のあらわれ!!カッコいいなあスペルマン監督は。

 …で、今のひとことで、もうおわかりかと思いますが、スペルマン監督は、熱烈なDMCファンなのです。



 そして、クラウザーさんの世を忍ぶ仮の姿である根岸は、この話を和田(ジャギ様の世を忍ぶ仮の姿)から、恋愛映画に出演することになったということを聞かされます。

 しかし根岸は恋愛映画と聞かされて、クラウザーさんではなく、根岸自身として映画に出演できるんだとすっかり勘違い。おまけに密かにファンだった山野花江ちゃんという女優さんと競演できるとあって、すっかり舞い上がっちゃうのですが、そこへシャッチョさんからの電話が…。



 翌日。収録スタジオにクラウザーさんが現れます。根岸としてではなくクラウザーさんとして出演することに、ガッカリというか、昨日バカみたいに浮かれていた自分を恥じているのか、そんな複雑な表情を見せています。

 そんなクラウザーさんに、スペルマン監督はハイテンションでご挨拶。生クラウザーさんを見られて感激したのか、へこへこと頭を下げっぱなしです。
 そんなスペルマン監督に、クラウザーさんは主演の俳優人を紹介されます。(根岸として)ファンであるユウコ役の花江ちゃんと、タケシ役のオシャレ四天王の一人・外園誠(そとぞの まこと)と対面できて、クラウザーさんに残っていた根岸の一面が、ちょっと嬉しそうな反応を見せます。


 さあ、そんな中ついにクラウザーさん絡みの撮影がスタートします。


「では、まずラーメン屋でタケシとユウコが食事をするシーンなので、
クラウザーさんは後ろでオッサンの首をしめて下さい」



 いきなりムチャクチャな撮影キタ━━(゚∀゚)━━ !!! いったい何の脈絡があって、クラウザーさんはラーメン屋でオッサンの首を締めなきゃならんのか?凡人のKAJIMEにはまったくもって理解不能ですが、きっと奇才のスペルマン監督はなにかを閃いたのでしょう。

 それよりも「俺にはセリフとか役名はないのか?」と、クラウザーさんは自分に役名が与えられないのがちょっと不満なようですが、スペルマン監督からの返答は…。


クラウザーさんに名前を付けるなどめっそうもない!!
セリフも好きにおっしゃってください!!」


 ただその場にいるだけで絵になる!!何を言っても許される!!これぞまさにVIP待遇だーっ!!さすがクラウザーさんだぜ!!


 というわけで、早速シーンの撮影がスタート。



 クラウザーさんの演技を「最高です!!」と絶賛しまくりのスペルマン監督。まあたしかにクラウザーさんも、もちろん素晴らしいのですが、個人的には首を締められているオッサンの演技もなかなかのもんだと思います(w


 その後も白目でユウコのツノをこするなどという、まったく持って意味不明なシーンの撮影などが延々と続きます。



 魔王であらせられるクラウザーさんは、迫真の演技で、見事スペルマン監督の期待に応えるのでした。



 そして撮影シーンはいよいよラストのベッドシーンへ。ここで憧れの花江ちゃんが裸になると聞かされて、クラウザーさんは激しいショックを受けてしまいます。花江ちゃんに話を聞くと、彼女自身は脱ぎたくはないのですが、事務所と監督の間で脱ぐと言う契約がなされちゃっているそうで。

 なんとかしてベッドシーンをやめさせたい…そんな思惑を秘めたクラウザーさんですが、無常にも撮影がスタート。カゼをひいたタケシにユウコがおかゆを食べさせたあと、強烈なセックスシーンに入る場面の撮影です。クラウザーさんはスペルマン監督からなにかパフォーマンスをやってくれとお願いされます。


「チクショー、このままじゃ花江が
貴様等が誰も止めねえなら…

この俺が力ずくでとめてやるわ!!」



 ココでクラウザーさんが、花江ちゃんのベッドシーンを阻止するべく「悪魔玉」の発動体制に入ったー!!


クラウザーさん“悪魔玉”を使おうとしてらっしゃる
コレは凄いラストシーンになるぞ…)


 背中を反らせるクラウザーさんの体制を見て、即座に「悪魔玉」を繰り出すと見抜いたスペルマン監督は「よしっ、オラ達の邪気を少しづつクラウザーさんに分けるんだ!!」と、両手を挙げて邪気を送り込みます。周りのスタッフは何のこっちゃですけど(w


 そして、シーンの撮影は、まさにユウコがタケシにおかゆをスプーンで食べさせる場面に。ここで邪気がたまったクラウザーさんはおもむろにベッドに近づき…。



「よしっ、入ったあ!!」とガッツポーズを取る、スペルマン監督の満面の笑みがステキすぎます。



 このクラウザーさんの迫真の演技により、うぺルマン監督はラストシーンを今のシーンに変更。花江ちゃんのベッドシーンは結果的に流れる形となり、クラウザーさんも悪魔玉を繰り出したかいがあったというものです(w


 さあ、次回はついに映画が完成…。するらしいです。どんなハチャメチャな内容になっちまうのか、楽しみだぜー!!ファック!!



若杉公徳先生の巻末コメント
「家に帰ると担当が僕の女とやってました」