ジャック・イル・ダークから「悪魔のギター」(デスメタルの神「カールス・マーダー」が持っていた、人の生き血を啜ったおっかないギター)を受け継いだクラウザーさん。この出来事からDMCの存在が大きく注目されはじめ、日本インディーズシーンに大きな波を巻き起こし、同じデスメタル系バンド「デズム」・史上最凶ラッパー「鬼刃」(きば)などが、こぞってDMCを攻撃しはじめ、まさに群雄割拠な戦国時代へと突入していきます。
中でもひときわDMCに対して激しく攻撃を仕掛けてきたのが、反男性社会パンクバンド「金玉ガールズ」!!
それにしても「金玉ガールズ」とは思い切ったバンド名だなあ。とてもメジャーデビューは望めそうにありません。
彼女たちはDMCのファーストシングル「SATSUGAI」の歌詞をパロった、「DMC(デタラメ・マザコン・チェリーボーイ)」というCDをリリースして、DMCに宣戦布告してきやがりました。
オレ達ただのチェリーボーイ
昨日はママに化粧を教わり
明日はパパに衣装をねだる
潰せ潰せ潰す キンタマ潰せ
キョセイせよ キョセイせよ
キョセイせよ キョセイせよ
また、ジャケット写真も、セックス・ピストルズの「GOD SAVE THE QUEEN」のように、クラウザーさんの顔を隠して皮肉るという、とんでもない挑発行為!!
な…なんてパンクなんだ金玉ガールズ!!
もっとも、人様の曲を歌詞だけ変えてパクるなんてことは「無頼男」に出てきた「PSYCLOPS」もやってたんですがね(w
「このメス共、DMCの曲をパロって宣戦布告してきやがった!!
怒りでコカンが裂けそうよ!!」
しかしここまであからさまな挑発をされて、シャッチョさんはブチ切れ。根岸(クラウザーさんの世を忍ぶ仮の姿)の前で怒りをあらわにします。
「金玉は“反男性”と吠える、濡れねぇパンクバンド…
コレは知名度を上げてきたDMCを叩いて、話題にしようっていう事務所の魂胆よ
このまま黙ってはいられない…」
そして根岸に今日行われる金玉ガールズのバンドを潰してきなと命令するシャッチョさん。自分の舌にタバコの吸殻をジュっと押し付けてます。すげえ!!
根岸は風邪を引いてて病院に行く予定だったんですが、そんなことはお構い無しに、シャットさんの側近のモヒカンマッチョマン・グリにグラによって強制的に連行されちまいましたとさ。
ところかわって、金玉ガールズの楽屋では、DMC(デタラメ・マザコン・チェリーボーイ)が話題になってるということで、オカマ口調のマネージャーが大喜びしています。今回の戦略の仕掛けたのもこのマネージャーです。
しかしボーカルのニナたんは「私は全部オリジナルでやりたかったんだ」と不満を漏らします。しかし売れるためにそんな本心を押し殺して、今日もライブにいそしみます。
そしてライブが始まった頃、ちょうど根岸もライブ会場に到着。「ブッ壊せ――アイツのペニス面」「ブッ壊せ――アイツのペニス思想」「金玉のみよこせー」という歌劇な歌詞とその激しいパンクぶりに「女の子にはあんな下品なこと歌って欲しくないな」などと思う根岸。
しかし歌っているニナたんも心の中では揺れ動いていました。歌いながら憧れであるシド・ヴィシャス*1に問いかけます。
(チクショー、マネージャーも客共も、つまんねぇ男ばっかりだ
私はピストルズに憧れてバンドを始めた!!
マネージャーに飼いならされてる私を見て
シドはあの世でなんて言うだろう…
シド、私のやってることは間違ってるの?)
そして、会場のボルテージが最高潮に達したところで、根岸が見ている前でDMC(デタラメ・マザコン・チェリーボーイ)を熱唱。しかし、勝手に歌詞を変えられたこの曲を聞いているうちに、自分が一生懸命作ったDMCの曲を侮辱された気分になり、そして思わず…。
「テメェに両親を殺害し
そのあと犯した
オレの気持ちが分かるかぁー!!」
思わず本章をムキ出しにして、ステージ乱入しに行く根岸!!うはあ超絶カコ(・∀・)イイ!!
しかしステージに近づくたびに髪を引っ張られ、シャツを引き咲かれ、ステージに上がった頃には公然猥褻カット(マッシュルームカット)はツンツン頭に豹変、半裸状態となってしまいましたが…ニナたんはその根岸の姿に、思わず憧れのシド・ヴィシャスを重ねてしまいます。ベースを持ったらまさに生き写し!!
つーか、人間体でも過去の英雄を召喚し、自らに憑依させるとはさすがだぜクラウザーさん!! 背後のシドの勇姿がまるでスタンドみたいだぜ!! ファック!!
まあ、さきのトリノオリンピックで日本に唯一のメダルをもたらした金メダリスト・荒川静香選手もスタンド出してましたけどね。
シドと化した根岸は、酒をガブ飲みしたものをすぐさまニナたんにぶっ掛けたり*2と、とんでもないパンク的な行為を次々にやらかします。あまりのパンクぶりに金玉ガールズのベーシストも「ポッ」っとホの字!さすがだぜクラウザーさん!!
そして「FACKしょん!!」とくしゃみをした根岸に、「自分の歌っているこの曲はクソだ」と言われたんだと思って心を動かされたニナたん。突然現れたシドの生き写しに、ニナたんは心の中で発生していたモヤモヤをぶつけます。
「ねぇシドはっきり言って!!やっぱり私のやってるコトは間違ってるの!?」
すると根岸は「女の子なんだし、もっとオシャレでポップな曲をして欲しいな」と返答。しかしニナたんにはこう聞こえてしまいました。
「ビッチ!!俺はクレイジーでイカした音が欲しいんだ!!」
この幻聴に大きな感銘を受けたニナたんは、やっぱり自分のやりたい音楽をやるべきなんだということに気づき、今度のDMCとのタイバンで、自分のやり方でDMCをぶっ潰すと誓うのでした。
ということで、次回はDMCと金玉ガールズが壮絶な死闘を繰り広げるようです!!コイツはパンク臭いがプンプンするぜー!!デストローイ!!
今回はセックス・ピストルズのシド・ヴィシャスが出てくるなど、ついに実在の人物ネタが出てきました。もしかしたらついて来れない人もいたかも。
まあ、シド・ヴィシャスのこととか、パンクロッカーにおけるパンクな行為etcについては「完全パンクマニュアル・はじめてのセックス・ピストルズ」とかいう、クソみてえな鼻紙に載ってた気がするから、暇なヤツは見とけばいんじゃね?(鼻をホシホジ)
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若杉公徳先生の巻末コメント
「水中、それは苦しいのニューアルバム「顔にやさしく」が楽しみです。」
*1:唯一無二の伝説的パンクバンド「セックス・ピストルズ」のベーシスト。ヘロインの過剰摂取により21歳でこの世を去りました。
*2:口の中が切れたので水だと思って飲んだのが酒だったので思わず吐き出しただけです(w